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実は、、、〜白川の闇〜

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~この章は白川 健人目線で構成されてます~

「良かったな」

そう言った後の俺の心は、悔しかった。
彼女は、俺じゃなくあいつを選んだ。

俺は去年、同じクラスにいた、田辺 唯という女子に恋をした。
とても可愛くてしっかり者で、とにかく優しそうなイメージだった。
だから、俺は彼女に見て欲しくて、テストもスポーツも頑張っていた。

だけど、自分から彼女に話しかけることはなかった。
それは、その事自体が俺には出来なかった。
彼女と話したことはなく、密かに恋愛感情が芽生えて、話しかけたかった。
だから、また同じクラスになれたと分かったときは、嬉しかった。

だけど、事件が起きた、彼女は、中井 優という、男子と付き合うとクラスで公言したのだ。

彼女は俺じゃなく、別のクラスだったあいつを選んだ。

中井とは、中学からの同期であった。
高校がたまたま同じだったということだけで、友達として見るようにした、ただそれだけだった。

あいつに負ける要素なんか無かった。やつは、勉強もそんなにしない、宿題だなんて、見せてもらわなくても自分でやってたし、ノリのつもりだった。

なのに、なのに、、、!!

俺は、あいつをクラスに居られないようにしてやる。。。

そう、その日から、芽生えてしまったのである。

俺はすぐに行動に移した。クラスの男子はだいたいが知り合いで、連絡網だなんてすぐに回る。
女子にもその発言が回り、田辺を攻撃するようになった。でも、俺はそういう訳ではなかった。
俺は、田辺さんに見てもらいたいのに、田辺さんは、中井をずっと見てるし考えてる。
なんか、手助けしてるみたいに思えた。

でも、イジメは更に激しくなる。
ついに、机をクラスの男子が見事に消した、というより、倉庫に直すというすごいやつもいた。

俺は、こんなことになるとは予想していなかった。クラスの問題、学年の問題として扱われるようになったのだ。

俺は、田辺さんに見てもらえれば、それだけで良かったのに。。。
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