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歯車〜軋む音〜
しおりを挟む次の日、俺は学校に着くと、何も言わずに席に着いた。
唯はまだ学校に来てない様子だった。
だけど、なにかおかしかった。いつもと違う雰囲気をかもしだしていた。
俺が学校に着いた途端、一瞬だけ静まり、また騒ぎ始める。そして、俺を誰も見ないようにしていた。
唯がクラスに入る、少人数の女の子たちが唯に向かい話しかける、何を話しているのかは分からない。
唯は、笑顔で集団から抜け出し、小さい声で俺に挨拶をしてくる。
「おはよう、優くん」
「おはよう、唯」
そして、その小さい声のまま彼女は言った。
「優くん、これから起きるかもしれないこと、私も受け入れるから、受け入れて。」
「何が起きるの?」
「いいから。それと、放課後は出来るだけ毎日会おうね。」
「分かった。」
放課後、二人で歩く帰り道。俺は、唯に聞いてみた。
「朝、言ってたこと、何か理由があるの?」
「ん?優くんって、そんなに鈍いの?」
「なんで、疑問を疑問で返してくるかな。なんとなくおかしいって思ったけど。」
「そっか、だったら、私が女の子達に絡まれてたの覚えてる?」
「朝、来たときだよな?見てたよ。」
「私、優くんの去年のこととかを聞かされてたの、多分、ありもしないことをね。」
「どんなこと?」
「女の子にずっと告白してたとか、女の子としか話してなかったとか、聞いてて嫌になるくらい。」
「ふ~ん、別にそんなことしてないし否定は出来るけど、唯とは同じクラスではなかったからなぁ。そんなこと言われたらなぁ。」
「でも、それってあの子たちは分かってないの。だって、私が優くんを選んだの。優くんが私を選んだのなら、嫌だよ?それは。」
「だったら、なんで俺を選んだんだ?」
「秘密。いずれ分かるよ。」
俺は、そっかってだけ言って、駅に着いたので、そこでバイバイした。
帰り道の途中、LINEを交換してたので、試しに「また明日。」と送ってみる。
すると、彼女は、「明日、気をつけてね。」と返事が来た。
彼女のLINEの意味が分からないまま、一日が過ぎていった。
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