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出国
ミュール領①
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カンパリ領の町に一度戻ったあと今後のことについて話し合った。まず護衛の皆さんについては、このまま護衛をするのは難しいということでここで依頼終了としてもらった。
次にミュール領に向かうための馬車だ。荷車は後から来てもらうということになっていたため今回の事故には巻き込まれずに済んだ。ただ、馬車はすぐに直すことが難しいということになり、今回はミュール領まで馬で行くことになった。もちろん、私もユナリーも乗馬ができるわけではないため、お兄様と、ジン様が後ろに乗せてくれることになった。
そしてここからが問題だ。
「私がお兄様の後ろではなくジン様の後ろなのかが不思議なのですが、なぜですか?」
首をかしげながらジン様に聞いてみると、
「俺が後ろに乗せたいのはメレナーデ嬢だけだ」の一点張りでそれ以外は教えてくれなかった。お兄様はそれを聞いてくすくす笑っているだけで特段気にしているわけではなさそうだ。仲がいいと言っていたし二人にしか知らない会話の内容があるのだろう。とりあえず今は急いでミュール領に向かう必要があるためジン様の後ろに乗ってミュール領に向かうことにした。
馬車では通りづらかった道も、馬だと後いう間に通りにけることができた。一日くらいかかると思っていたけどミュール領には半日でたどり着いた。
ミュール領は辺境伯領ということもありとても広大な土地となっている。
ちなみに、カンパリ領は侯爵家ではあるものの宰相一家ということもあるのか領地は小さめである。このあたりでいうと、私たちの領地バイヤー領地が一番広く、次にミュール領、カンパリ領という感じだ。
ミュール領は転々と町があるというより農家が多い。そして隣国と面しているということもあり、大きな町が領地の真ん中にある。そして領地の周りは林で囲まれている状態だ。農地<<林<<領地>>林>>農地という感じだ。
馬でかけてきた分早く着きそうなので、このまま領地をめざすことになった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
ミル・カルーア視点
婚約を白紙に戻してから数日後。
色々な壁にぶち当たっていた。
まずはオレリーの王子妃教育が進まないということだ。ちょっと怒られるとすぐ「いじめられた」と言い出すためなかなか進まない。そしてすぐ新しいドレスやアクセサリーを欲しがる。
「母上、オレリーがドレスを欲しがるのですが...」
「今は作ることができないので、断って頂戴。」
そう言って話をさえぎられた。それもこれも、すべてはメレナーデがいなくなたことが原因だ。メレナーデがいるときは布などを用意すればすぐに作成してくれた。原価だけで作ることができたのだ。
しかし、今は違う。今まで以上のコストがかかり、なかなか作成ができない。メレナーデさえいなくならなければこんなことにはならなかったのに。いったいどこに行ったんだ。家に行ってもいないし、誰も取り合ってくれない。
今になって、メレナーデの創造スキルはすごかったことを知った。
オレリーや母上の機嫌も悪く、父上もあまり近寄りたがらない。これからこの国がどうなっていくのか、先の見えない不安でいっぱいになった。
次にミュール領に向かうための馬車だ。荷車は後から来てもらうということになっていたため今回の事故には巻き込まれずに済んだ。ただ、馬車はすぐに直すことが難しいということになり、今回はミュール領まで馬で行くことになった。もちろん、私もユナリーも乗馬ができるわけではないため、お兄様と、ジン様が後ろに乗せてくれることになった。
そしてここからが問題だ。
「私がお兄様の後ろではなくジン様の後ろなのかが不思議なのですが、なぜですか?」
首をかしげながらジン様に聞いてみると、
「俺が後ろに乗せたいのはメレナーデ嬢だけだ」の一点張りでそれ以外は教えてくれなかった。お兄様はそれを聞いてくすくす笑っているだけで特段気にしているわけではなさそうだ。仲がいいと言っていたし二人にしか知らない会話の内容があるのだろう。とりあえず今は急いでミュール領に向かう必要があるためジン様の後ろに乗ってミュール領に向かうことにした。
馬車では通りづらかった道も、馬だと後いう間に通りにけることができた。一日くらいかかると思っていたけどミュール領には半日でたどり着いた。
ミュール領は辺境伯領ということもありとても広大な土地となっている。
ちなみに、カンパリ領は侯爵家ではあるものの宰相一家ということもあるのか領地は小さめである。このあたりでいうと、私たちの領地バイヤー領地が一番広く、次にミュール領、カンパリ領という感じだ。
ミュール領は転々と町があるというより農家が多い。そして隣国と面しているということもあり、大きな町が領地の真ん中にある。そして領地の周りは林で囲まれている状態だ。農地<<林<<領地>>林>>農地という感じだ。
馬でかけてきた分早く着きそうなので、このまま領地をめざすことになった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
ミル・カルーア視点
婚約を白紙に戻してから数日後。
色々な壁にぶち当たっていた。
まずはオレリーの王子妃教育が進まないということだ。ちょっと怒られるとすぐ「いじめられた」と言い出すためなかなか進まない。そしてすぐ新しいドレスやアクセサリーを欲しがる。
「母上、オレリーがドレスを欲しがるのですが...」
「今は作ることができないので、断って頂戴。」
そう言って話をさえぎられた。それもこれも、すべてはメレナーデがいなくなたことが原因だ。メレナーデがいるときは布などを用意すればすぐに作成してくれた。原価だけで作ることができたのだ。
しかし、今は違う。今まで以上のコストがかかり、なかなか作成ができない。メレナーデさえいなくならなければこんなことにはならなかったのに。いったいどこに行ったんだ。家に行ってもいないし、誰も取り合ってくれない。
今になって、メレナーデの創造スキルはすごかったことを知った。
オレリーや母上の機嫌も悪く、父上もあまり近寄りたがらない。これからこの国がどうなっていくのか、先の見えない不安でいっぱいになった。
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