婚約破棄はこちらからお願いしたいのですが、創造スキルの何がいけないのでしょう?

ゆずこしょう

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出国

ミュール領④

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ミュール辺境伯領に来て3日目。
昨夜、無事荷車が届いたと連絡をもらった。

朝起きて準備を始めようとベッドから降りるとユナリーが扉越しに声をかけてきた。

「おはようございます。メレナーデ様。朝のお支度の手伝いに参りました。」

部屋に入っていいことを伝えるとユナリーはそっと扉を開けて入ってくる。

この3日間で、心なしか疲れも取れスッキリした気がする。
馬車については似たような端材をもらい無事作ることができた。

「今日はいよいよ出発ですね。」

「えぇ。お兄様と離れるのは寂しいけれど、戻ってこれないわけではないわ。今はまずみんなの安全を第一に考えましょう。」

この3日間の間大きな動きがあったと言う報告は受けていないものの、王家が私を探して色々な領地に人を送っていると聞いた。
もし領民たちが私にあったことを隠していると分かれば罰を受ける可能性もあったためなるべくここまで姿を隠しながらきた。

あと少しなので上手くいってほしい。

支度が終わり、みんなで朝食を取る場所に向かうとお兄様とジン様がすでに待っていた。

「お兄様、ジン様。おはようございます。」

2人もおはようと返してくれる。

「メーデ。これからのスケジュールについて話しておきたいから、あとで執務室にきてくれるかい?ジンと僕、3人で話そう。」

3日間でお兄様はスケジュールも考えてくださっていたようだ。

正直ブルームーン国のお祖母様、お祖父様に会いに行ったのは婚約する前だったので道のり含めあまり覚えていなかった。

お手紙でやり取りはしていたので全く交流がなかったと言うわけではなかったが、王太子妃教育で忙しかったのもある。

朝食を食べ終え、執務室に向かった。


⟡.·*.··············································⟡.·*.

執務室に行くと、お兄様とジン様が集まっている状態だった。
どうやら私が最後だったみたいだ。

「お兄様、ジン様。お待たせして申し訳ございません。」

「いや、待ってないから大丈夫だよ。座って話そう。」

ジン様が座ったのを確認したあと私もソファに座った。

「早速本題に入ろう。」
地図を広げながらお兄様が話をしていく。

今日は出国してブルームーン国に入国することがメインだそうだ。

入国するには審査があるものの今回はジン様が一緒に行くと言うこともありスムーズに入ることができるそうだ。念のためお祖父様たちギムレット公爵家の紋章の入った手紙などを持ってきているので何かあった時はこれを提示する。

入国後はギムレット公爵領に向かうことになる。

ミュール領からギムレット領までは大体2日だそうだ。今日はブルームーン国の王都に泊まり2日目に王都からギムレット領を目指す。

「王都とギムレット領は隣にあるため王都について仕舞えばさほど時間はかからないだろう。」
地図で領地を指しながら人様が説明してくれる。

公爵領に入ったらそのままお祖母様、お祖父様の公爵邸に行くことになる。

1番の問題はスムーズに入国手続きを終えることだ。

「出国、入国手続きをしてしまえばそこまで大変ではないだろう。僕とはここでお別れだけど会えなくなるわけではないからね。僕も遊びに行くよ。」


お兄様はそう言ってにこやかに笑った。







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