婚約破棄の現場に遭遇したので私から求婚することにしました!白豚と嘲笑った皆様には誠心誠意お返しさせていただきます!

ゆずこしょう

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潜入。

テッサリーニ国では貴族出身というだけで騎士爵が貰えるらしい。

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「本当にこの騎士団機能しているのか…。弱すぎる…。」


「本当だよなぁ…。」


ドラウゴン国を出て1ヶ月。私は無事テッサリーニ国の騎士団に潜入することが出来た。


騎士団に入るのは少し大変だと思っていたが、フィオが上手く手を回してくれたおかげだ。


そして、何故か分からないがウェインも一緒に来ている…。


「そう言えば…ウェイン。なぜお前はここにいるんだ?」


この1ヶ月、聞かずにいたがそろそろ教えて貰おうと声をかける。



「んー…もう少ししたらわかるはずだから。それにローレンはやることがあるだろ。まずはそっちに集中しろ。」



ローレンというのは私の男装名だ。
流石にメローラではバレるだろうということで、兄様たちが考えてくれた。


「そうか…。」


ウェインがはぐらかす時は大体が父様や兄様たちが関わっている。始めは私が問題を起こさないか見張りで付いてきたのでは無いかと思ったが、どうやら違うようだ…。


そしてテッサリーニ国に来て吃驚したのは騎士団の弱さだ。入隊して2週間。私とウェインがいる騎士団は王族を護るための白銀の騎士団なのだが…本当に王族を護ることが出来るのかと思うレベルである。


「ジーノ。白銀の騎士団は本当に王族を護るための騎士団なのか?」


テッサリーニ国ではスポレトーレ家の世話になっていた。私とウェインは兄弟で、スポレトーレ家の分家の息子という事になっている。


「一応…な。ただ、白銀騎士団は貴族の子息しか入れないからか、実力のあるものはほとんど居ない。大体後継者以外の子息はこの騎士団に所属する。白銀騎士団に居るだけで騎士爵が与えられて貴族のままでいられるからな。」


私とウェインが来たばかりの頃はジーノも少し警戒していたようだが、フィオの話をしているうちに少しずつ信頼してくれるようになっていた。


フィオからもジーノの話を聞いていたが、テッサリーニ国にも味方がいたようで安心したものである。


「誰でも騎士爵が与えられるのは…大盤振る舞い過ぎやしないか。あんな弱いのが騎士爵なんて国の名折れだろう。騎士爵は騎士として武勲を立てたものが与えられる称号なんだぞ?これは昔からなのか?」


騎士団に入ってすぐの頃、スポレトーレ家は何故かこの国の貴族たちから嫌われているようで、私とウェインは先輩方から洗礼を受けた。


そう…みんなで寄ってたかって袋叩きにでもしようとしたのだろう。


私は久しぶりに暴れられるとワクワクしていたのだが…


そうは上手くいかず…


なんとまさかの皆一撃で伸されてしまったのである…


そう一太刀も私たちに当てることはできたなかった。


「「よわっ…」」


言ってはいけない言葉であることはわかっていたが、口は正直だった。



それにしても、ドラウゴン国とテッサリーニ国で違うのはわかるが、ドラウゴン国であれば間違いなくそんな弱い奴らに騎士爵なんて与えない。寧ろ王族警護の近衛騎士団にすら入れないだろう。


「いや、変わったのは宰相が、トリベール侯爵に代わってからだから…15年くらいか…。その前までは俺の祖父が宰相だったんだ。」


ジーノ曰く、トリベール侯爵が宰相になったのはフィオの母親が亡くなってからだという。
フィオの母親が存命の間、王妃はフィオの母アドリアーナ様だったそうだ。そして亡くなったと同時に側妃であったイヴェッタが王妃になった。


「あの時は急な出来事で皆が混乱していたのを子供ながらに覚えている。前日まで母とお茶を飲むほど元気だった王妃が急に亡くなったんだ。」


「それは本当か?因みにその時の死因とか分かるか?」


今まで静かにしていたウェインが急に口を開いた。



「分からないんだ。俺たちスポレトーレ家はその後から落ち着くまで王宮内に入ることを禁止させられていた…その所為で祖父も娘の死に目に会えなかったと嘆いていたよ。」


フィオの母親の死因。ウェインが気にするということは、現王妃であるイヴェッタと義弟について、その近辺を探りにでも来たのか。


「それはあんまりだな…話を聞く感じ、フィオの母親も殺された可能性が高そうだ。この辺りは王宮にでも近寄らないと行けなさそうだが…」


ジーノの方をチラリと見ると、小さく「すまん。」と謝ってきた。


こういう所は従兄弟同士だからか、フィオとそっくりだ。


「まさかスポレトーレ家が嫌われているのはそのトリ達のせいなのか?」


「いや、トリベールな…トリベール。」


分かっている。この場を和ませるためにわざと言ったんだ。ウェインのやつめ…。


「前はここまで酷くなかったが、俺たちがオルフィを匿ってからだな。正直あのまま王宮にいたらオルフィが殺されそうだったからな。精神的にさ…それで祖父がこれ以上家族を失う訳にはいかんって言って連れてきたわけ。そこからだよ…当たりが強くなったのは…。」


確かに、ドラウゴン国に来た様子からも何となく分からないでもない。


「そういう事か。上手く近衛として王宮に潜り込めればなぁ。ウェイン…なにかいい手はないか?」



「あるにはあるが…結構力業になると思う。」

ふむ…力業か。下手に頭使うよりもよっぽど単純明快で良さそうだ。


「ウェイン。それで行こう!」


「いや、作戦の内容。まだ言ってないけど?」


「大丈夫。大丈夫。力業なら任せなさい。」


そう言って私は白金の騎士団長の元へ向かった。



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