14 / 38
潜入。
力業といえばあれしかないだろう!
しおりを挟む
「おい、ローレン。お前まさか…。」
「あぁ…ウェインはバカか?力業と言ったらそれしかないだろう?」
ウェインが力業と言ったくせに、なにをそんなに慌てているのだろうか。そもそもよく、他の騎士団から何も言われないよな…
以前聞いた話では他に青銅の騎士団と赤熱の騎士団というのがあると言っていたはずだ。
ランク的には青銅の騎士団が一番下で、赤熱、白銀と続いていた。
いがみ合いもなく上手くいっているのは何故なのか気になるところだ。
「お前は、なんっでそんなに脳筋なんだ?本当にアルトゥール国王陛下にソックリだよな。」
「あ?父様のことそんなこと言っていいのか?父様の耳に入ったら、3日間地獄の特訓から話して貰えないぞ?」
ウェインの言う通り私は父様似だと思うけど、母様だってああ見えて結構脳筋なんだ。冷静を装って見せているだけで、きっと頭の中では熱湯がグツグツ茹だっているのを知っている。
「それよりも今は冷静になれ。力業と言うのは…そ、その…じ、じ、冗談だ!冗談!だから一旦落ち着こう!なっ?」
手の甲を上に向けて上げ下げしながら深呼吸を繰り返すウェイン。私は至って冷静なのだが…。
「そんなことをせずとも私は冷静だ!だから行ってくる。お前はここで待っていろ。」
「ちょ、ちょっと待てって!ローレン。」
後ろでウェインが止めていたが私は敢えてそれを無視して白銀騎士団団長室へと入った。
「騎士団長!僭越ながらお話がございます!」
騎士団長室に入ると何故かそこには、一糸まとわぬ姿の女性と男性がベッドの上で寝ている。
はて、ここは騎士団長室ではなかっただろうか。
それともこの団長室だけこういう造りなのか?
「団長!!すみません!お話があるのですが…」
聞こえていないのか全く反応がない。私は仕方なしにさらに大き声を出した。
「すみません、ベッドの上で寝ている人は団長では無いのですか?団長でないようでしたら不審者として連行しますが…。それとも耳が聞こえないんですかね。職務時間だろ?いい加減起きやがれこのくそ団長が!!!」
「あ?なんだお前は。俺が誰かわかってんのか?」
モゾモゾと布団から起き上がりこちらに向かってくる。普通の貴族女性が男の裸など見たら卒倒してしまうだろう。
私も戦や、兄様たちの裸で慣れていなければ騒いでいたかもしれない。
「騎士団長だろ?名前はたしか…」
トリ宰相の次男だと聞いたことがあるが…
「イベリコだったか。」
「豚じゃねーよ。リベルコだよ!!」
別にイベリコだか、リベルコだかぶっちゃけ私にはどうでもいいのだけど。
だって、ここに来たということは。
「まっ、いいや。イベリコ団長、俺と騎士団を掛けて勝負しませんかぁ?」
「は?」
結構大きな声で言ったつもりだったが…聞こえなかっただろうか…。
「あれ?可笑しいな…結構大きな声で言ったつもりだったんだけど…」
イベリコ団長の近くにより、耳もとでもう一度同じことを伝える。
「騎士団長のもあろうお方ががまだ入ったばかりのペーペーの私に負けるわけが無いですよね。良ければその胸を貸してくださいよ。」
父様や兄様とは違いぺらっぺらな身体の薄さ。恐らく、私でも一撃で倒せるだろう。
こんなのが騎士団長なんて聞いて呆れる。
フィオがいた時からこの騎士団長なのだろうか。
いや…さすがにそれは無いか…。
「いいだろう。お前名前は?」
「ローレンっす。」
名前を伝えると何かを考え出した。
「ローレンか。なら俺が買ったらお前は俺の物だ。その生意気な言葉遣いから調教して叩き直すのも面白そうだしな。それに…お前みたいな綺麗なやつを男のままにしておくのは勿体ない。」
何を言い出すかと思えば調教って言葉が出てくる時点で寒イボが立ってくる。しかも男のままにしておくの勿体ないって…本当この色ボケ騎士団長を見ていると、大事な所を切り落として女にしてやりたくなってくる。
「そうですかー。じゃあ、30分後。訓練場で…もし遅れたら、不戦敗ですんで逃げないでくださいよ。イベリコ騎士団長。」
これ以上言うとここで一発殴ってしまいそうだった私は何とか押さえ込んで、訓練場へと向かった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
ウェイン視点。
「起きやがれクソ団長が!!!」
扉の外で待っていると、メローラの声が聞こえてくる。どうやら団長は寝ていたようだ…
ってそんな事はどうでもいい。今の声を聞く限りメローラが怒っているのがわかる。
暴れないように見張っていろと言われていたのにこのままで
「おら、そこの女もだ。お前ら職務中に何してるかわかってんのか?だから、この騎士団はこんなに腐ってんだよ!」
もしかして職務中に女を連れ込んでいたのか…騎士団長がそんな状態なら、この騎士団が弱いのも頷ける。
全部の言葉が聞こえてくる訳じゃないが、どうやら話し合いは手を出すことなく進んでいるようだ。
メローラが入っていって30分程経った頃、扉が開いた。
「ローレン。大丈夫だったか?」
「あ、あぁ…ウェイン。終わったぞ。30分後に訓練場でクソ団長と勝負することになった。観客を出来るだけ用意しろ。できればスポレトーレ家と懇意にしている奴らがいいな。ジーノにも声をかけておいてくれ。」
観客…と言うよりはメローラが買ったことを認めてくれるやつが欲しいんだろう。出来れば王族でも来てくれるといいんだが…上手くは行かないだろう。
俺はジーノの所に向かった。
「あぁ…ウェインはバカか?力業と言ったらそれしかないだろう?」
ウェインが力業と言ったくせに、なにをそんなに慌てているのだろうか。そもそもよく、他の騎士団から何も言われないよな…
以前聞いた話では他に青銅の騎士団と赤熱の騎士団というのがあると言っていたはずだ。
ランク的には青銅の騎士団が一番下で、赤熱、白銀と続いていた。
いがみ合いもなく上手くいっているのは何故なのか気になるところだ。
「お前は、なんっでそんなに脳筋なんだ?本当にアルトゥール国王陛下にソックリだよな。」
「あ?父様のことそんなこと言っていいのか?父様の耳に入ったら、3日間地獄の特訓から話して貰えないぞ?」
ウェインの言う通り私は父様似だと思うけど、母様だってああ見えて結構脳筋なんだ。冷静を装って見せているだけで、きっと頭の中では熱湯がグツグツ茹だっているのを知っている。
「それよりも今は冷静になれ。力業と言うのは…そ、その…じ、じ、冗談だ!冗談!だから一旦落ち着こう!なっ?」
手の甲を上に向けて上げ下げしながら深呼吸を繰り返すウェイン。私は至って冷静なのだが…。
「そんなことをせずとも私は冷静だ!だから行ってくる。お前はここで待っていろ。」
「ちょ、ちょっと待てって!ローレン。」
後ろでウェインが止めていたが私は敢えてそれを無視して白銀騎士団団長室へと入った。
「騎士団長!僭越ながらお話がございます!」
騎士団長室に入ると何故かそこには、一糸まとわぬ姿の女性と男性がベッドの上で寝ている。
はて、ここは騎士団長室ではなかっただろうか。
それともこの団長室だけこういう造りなのか?
「団長!!すみません!お話があるのですが…」
聞こえていないのか全く反応がない。私は仕方なしにさらに大き声を出した。
「すみません、ベッドの上で寝ている人は団長では無いのですか?団長でないようでしたら不審者として連行しますが…。それとも耳が聞こえないんですかね。職務時間だろ?いい加減起きやがれこのくそ団長が!!!」
「あ?なんだお前は。俺が誰かわかってんのか?」
モゾモゾと布団から起き上がりこちらに向かってくる。普通の貴族女性が男の裸など見たら卒倒してしまうだろう。
私も戦や、兄様たちの裸で慣れていなければ騒いでいたかもしれない。
「騎士団長だろ?名前はたしか…」
トリ宰相の次男だと聞いたことがあるが…
「イベリコだったか。」
「豚じゃねーよ。リベルコだよ!!」
別にイベリコだか、リベルコだかぶっちゃけ私にはどうでもいいのだけど。
だって、ここに来たということは。
「まっ、いいや。イベリコ団長、俺と騎士団を掛けて勝負しませんかぁ?」
「は?」
結構大きな声で言ったつもりだったが…聞こえなかっただろうか…。
「あれ?可笑しいな…結構大きな声で言ったつもりだったんだけど…」
イベリコ団長の近くにより、耳もとでもう一度同じことを伝える。
「騎士団長のもあろうお方ががまだ入ったばかりのペーペーの私に負けるわけが無いですよね。良ければその胸を貸してくださいよ。」
父様や兄様とは違いぺらっぺらな身体の薄さ。恐らく、私でも一撃で倒せるだろう。
こんなのが騎士団長なんて聞いて呆れる。
フィオがいた時からこの騎士団長なのだろうか。
いや…さすがにそれは無いか…。
「いいだろう。お前名前は?」
「ローレンっす。」
名前を伝えると何かを考え出した。
「ローレンか。なら俺が買ったらお前は俺の物だ。その生意気な言葉遣いから調教して叩き直すのも面白そうだしな。それに…お前みたいな綺麗なやつを男のままにしておくのは勿体ない。」
何を言い出すかと思えば調教って言葉が出てくる時点で寒イボが立ってくる。しかも男のままにしておくの勿体ないって…本当この色ボケ騎士団長を見ていると、大事な所を切り落として女にしてやりたくなってくる。
「そうですかー。じゃあ、30分後。訓練場で…もし遅れたら、不戦敗ですんで逃げないでくださいよ。イベリコ騎士団長。」
これ以上言うとここで一発殴ってしまいそうだった私は何とか押さえ込んで、訓練場へと向かった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
ウェイン視点。
「起きやがれクソ団長が!!!」
扉の外で待っていると、メローラの声が聞こえてくる。どうやら団長は寝ていたようだ…
ってそんな事はどうでもいい。今の声を聞く限りメローラが怒っているのがわかる。
暴れないように見張っていろと言われていたのにこのままで
「おら、そこの女もだ。お前ら職務中に何してるかわかってんのか?だから、この騎士団はこんなに腐ってんだよ!」
もしかして職務中に女を連れ込んでいたのか…騎士団長がそんな状態なら、この騎士団が弱いのも頷ける。
全部の言葉が聞こえてくる訳じゃないが、どうやら話し合いは手を出すことなく進んでいるようだ。
メローラが入っていって30分程経った頃、扉が開いた。
「ローレン。大丈夫だったか?」
「あ、あぁ…ウェイン。終わったぞ。30分後に訓練場でクソ団長と勝負することになった。観客を出来るだけ用意しろ。できればスポレトーレ家と懇意にしている奴らがいいな。ジーノにも声をかけておいてくれ。」
観客…と言うよりはメローラが買ったことを認めてくれるやつが欲しいんだろう。出来れば王族でも来てくれるといいんだが…上手くは行かないだろう。
俺はジーノの所に向かった。
557
あなたにおすすめの小説
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
【完結】悪役令嬢ですが、元官僚スキルで断罪も陰謀も処理します。
かおり
ファンタジー
異世界で悪役令嬢に転生した元官僚。婚約破棄? 断罪? 全部ルールと書類で処理します。
謝罪してないのに謝ったことになる“限定謝罪”で、婚約者も貴族も黙らせる――バリキャリ令嬢の逆転劇!
※読んでいただき、ありがとうございます。ささやかな物語ですが、どこか少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる