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婚約式
仮の婚約式。
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⟡.·*.··············································⟡.·*.
リディアーヌ視点。
婚約してからというもの毎日が慌ただしくすぎている。
ドレスを選ぶところから、宝飾品を選ぶところまで…今までだったら1度しか着ないドレスだし、そこにお金をかけるのも…と思っていたこともあって、中古品などを購入していることが多かった。
エピナールはキャロットばかりにお金を使うのでこちらに使える予算がなかったとも言える。
「こんなに色々いいのでしょうか…?」
お義母様がお店の方にどんどん注文をしていくので、私は何もすることが出来ない。ここにリュシアン様がいたら止めてくれるかもしれないけど…スピードが早すぎる…
「いいのよー!リュシアンは、殆どお金を使うことがなかったから、こういう時くらい甘えちゃいなさい。それにリュシアンからも頼まれてるのよ。リディーちゃんに似合うドレスを買ってくれって。」
私の独り言が聞こえていたようで、ドレスのデザインを色々選びながら話しかけてくる。
「そ、そ、そうですか…。」
「そうよ!それに私娘が欲しかったのよぉ。男の子って可愛い服装とかしないでしょぉ?それにリュシーもリュークも仕事人間だから、一緒にお買い物してくれる人いなくて。」
お義母様…きっと寂しかったのね。でも、私も基本仕事ばかりしていたから、こういう時間どうしていいかわかりません。ごめんなさいお義母様…。
「リディーちゃん。リュシアンと婚約してくれてありがとう。あの子はあまり表情が動かないでしょ?そのせいか周りの女の子からは氷の貴公子なんて呼ばれて恐れられてしまってね。なかなか婚約者が出来なかったの。あの子が一目惚れしたと聞いた時は嬉しかったわ。本当にありがとう。あの子を変えてくれて…」
リュシアン様の話は噂だけは聞いていた。とても美しい顔をしているのに全く笑わない…
笑わないどころか表情が動かないから、まるで人形のようだと…
その言葉を聞いて、私と似たような事を言われている人がいるのだなと思ったのを覚えている。
「とんでもないです。私もリュシアン様と出会えてよかったと思っています。好きだからとアルデール樹海を抜けてまで会いに来てくれる人、初めて見ました。それに表情はあまり動かないですが、嘘をつかない人だと言うのは話していて分かります。」
出会ってから、早数ヶ月。
少しづつリュシアン様を好きになっている自覚はある。きっとこの人に愛してもらえれば幸せになれるだろう。
「そう言って貰えて嬉しいわ。リュシアンのこと、これからもよろしくね。」
「はい。こちらこそよろしくお願いいたします。お義母様。」
こうして、話している間にドレスは決まり、あっという間に婚約式の日を迎えることになった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
リュシアン視点。
婚約式の前日、リディーの家族がアルデール国からやってきた。今回の婚約式を2回行うことは前もって伝えてある。1度目は明日、セリエール国から招いて行うこと。その一週間後に本当の婚約式を行うことになっている。
そして、婚約式当日。
「リュシアン様…」
リディアーヌが赤いドレスを着て現れた。
赤いドレスに黄色の装飾。マーメイドドレスといっただろうか。体の線がみえ、足先に行くほど広がっていくドレスの形。
髪をアップにしていてちらりと見えるうなじがとても美しい。
「あの…リュシアン様…?いかがでしょうか?」
あまり体の線が見えるドレスは着たことがないのだろう。少し頬を染めながら話しかけてくるリディーはとてもかわいらしい。
「リディー。とてもよく似合っているよ。すごく美しい。誰にも見せたくないくらいだ…。」
「あ、ありがとうございます。リュシアン様もとても、かっこいいです。」
今回は白貴重のスーツに、裏地は赤色にしてもらった。裏地が見える部分にはシルバーの刺繍が見えるようにしている。
リディーは私のものだというちょっとした独占欲だ。
この位は許して欲しい。
「ありがとう。さぁ、時間だし行こうか。」
二人で並んで会場に向かうと、そこにはルノアール国国王陛下とアルデール国王陛下は勿論のこと他国の重鎮たちも集まっている。
「セリエール国の王族を呼んだと聞いていましたが…それ以外の国の方々もいらしているようですね。」
リディーには伝えていなかったが、セリエール国に対する恨みを持っている国々が今回集まっていたりする。まさかこんなに集まるとは思っていなかったが…
「そうだな…俺たち婚約式を行うだけだ。他は父上たちに任せよう。」
婚約式の会場に入り、本日来てくださった方々に挨拶をしていると、扉の方がやけに騒がしくなった。
「ハハハ。リディアーヌよ。お前を迎えに来たぞ!俺のことが好きで忘れられないと聞いておる。一番には出来ないが…愛人くらいにはしてやろう!!!」
その言葉に皆開いた口が塞がらなかった。
「そうだな。仕方がないリディアーヌだけでは無いぞ!オデール公爵の件についても今回は不問とする。」
エピナールの後ろからセリエール国の国王が現れたのである。すると、アルデール国王陛下がセリエール国王の前にでた。
「私たちがあなたの言う事を聞くことは一切ございません。そもそも今日はリディアーヌとリュシアンの婚約式の場。邪魔をすることは許しません。お引取りを…」
元々何を言ってくるかわかっていた俺たちはシナリオを準備していた。まさかここまではシナリオ通りに行くとは思っていなかったが…
リディアーヌ視点。
婚約してからというもの毎日が慌ただしくすぎている。
ドレスを選ぶところから、宝飾品を選ぶところまで…今までだったら1度しか着ないドレスだし、そこにお金をかけるのも…と思っていたこともあって、中古品などを購入していることが多かった。
エピナールはキャロットばかりにお金を使うのでこちらに使える予算がなかったとも言える。
「こんなに色々いいのでしょうか…?」
お義母様がお店の方にどんどん注文をしていくので、私は何もすることが出来ない。ここにリュシアン様がいたら止めてくれるかもしれないけど…スピードが早すぎる…
「いいのよー!リュシアンは、殆どお金を使うことがなかったから、こういう時くらい甘えちゃいなさい。それにリュシアンからも頼まれてるのよ。リディーちゃんに似合うドレスを買ってくれって。」
私の独り言が聞こえていたようで、ドレスのデザインを色々選びながら話しかけてくる。
「そ、そ、そうですか…。」
「そうよ!それに私娘が欲しかったのよぉ。男の子って可愛い服装とかしないでしょぉ?それにリュシーもリュークも仕事人間だから、一緒にお買い物してくれる人いなくて。」
お義母様…きっと寂しかったのね。でも、私も基本仕事ばかりしていたから、こういう時間どうしていいかわかりません。ごめんなさいお義母様…。
「リディーちゃん。リュシアンと婚約してくれてありがとう。あの子はあまり表情が動かないでしょ?そのせいか周りの女の子からは氷の貴公子なんて呼ばれて恐れられてしまってね。なかなか婚約者が出来なかったの。あの子が一目惚れしたと聞いた時は嬉しかったわ。本当にありがとう。あの子を変えてくれて…」
リュシアン様の話は噂だけは聞いていた。とても美しい顔をしているのに全く笑わない…
笑わないどころか表情が動かないから、まるで人形のようだと…
その言葉を聞いて、私と似たような事を言われている人がいるのだなと思ったのを覚えている。
「とんでもないです。私もリュシアン様と出会えてよかったと思っています。好きだからとアルデール樹海を抜けてまで会いに来てくれる人、初めて見ました。それに表情はあまり動かないですが、嘘をつかない人だと言うのは話していて分かります。」
出会ってから、早数ヶ月。
少しづつリュシアン様を好きになっている自覚はある。きっとこの人に愛してもらえれば幸せになれるだろう。
「そう言って貰えて嬉しいわ。リュシアンのこと、これからもよろしくね。」
「はい。こちらこそよろしくお願いいたします。お義母様。」
こうして、話している間にドレスは決まり、あっという間に婚約式の日を迎えることになった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
リュシアン視点。
婚約式の前日、リディーの家族がアルデール国からやってきた。今回の婚約式を2回行うことは前もって伝えてある。1度目は明日、セリエール国から招いて行うこと。その一週間後に本当の婚約式を行うことになっている。
そして、婚約式当日。
「リュシアン様…」
リディアーヌが赤いドレスを着て現れた。
赤いドレスに黄色の装飾。マーメイドドレスといっただろうか。体の線がみえ、足先に行くほど広がっていくドレスの形。
髪をアップにしていてちらりと見えるうなじがとても美しい。
「あの…リュシアン様…?いかがでしょうか?」
あまり体の線が見えるドレスは着たことがないのだろう。少し頬を染めながら話しかけてくるリディーはとてもかわいらしい。
「リディー。とてもよく似合っているよ。すごく美しい。誰にも見せたくないくらいだ…。」
「あ、ありがとうございます。リュシアン様もとても、かっこいいです。」
今回は白貴重のスーツに、裏地は赤色にしてもらった。裏地が見える部分にはシルバーの刺繍が見えるようにしている。
リディーは私のものだというちょっとした独占欲だ。
この位は許して欲しい。
「ありがとう。さぁ、時間だし行こうか。」
二人で並んで会場に向かうと、そこにはルノアール国国王陛下とアルデール国王陛下は勿論のこと他国の重鎮たちも集まっている。
「セリエール国の王族を呼んだと聞いていましたが…それ以外の国の方々もいらしているようですね。」
リディーには伝えていなかったが、セリエール国に対する恨みを持っている国々が今回集まっていたりする。まさかこんなに集まるとは思っていなかったが…
「そうだな…俺たち婚約式を行うだけだ。他は父上たちに任せよう。」
婚約式の会場に入り、本日来てくださった方々に挨拶をしていると、扉の方がやけに騒がしくなった。
「ハハハ。リディアーヌよ。お前を迎えに来たぞ!俺のことが好きで忘れられないと聞いておる。一番には出来ないが…愛人くらいにはしてやろう!!!」
その言葉に皆開いた口が塞がらなかった。
「そうだな。仕方がないリディアーヌだけでは無いぞ!オデール公爵の件についても今回は不問とする。」
エピナールの後ろからセリエール国の国王が現れたのである。すると、アルデール国王陛下がセリエール国王の前にでた。
「私たちがあなたの言う事を聞くことは一切ございません。そもそも今日はリディアーヌとリュシアンの婚約式の場。邪魔をすることは許しません。お引取りを…」
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