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建国祭
潜入。
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⟡.·*.··············································⟡.·*.
ヘリーオスト王太子殿下視点。
「よかったのですか?」
メルティが帰宅したあと。ヘルからの手紙を再度読む。
「何がだ…。」
「ヘルメント様の事です…。」
ヘルメントから手紙には最後に一言、メーティアを頼むと書いてあった。
ヘルメントがそんな書き方をするのは珍しい、書き方が「これから死地に赴く」と言っているようなものだ。
「あぁ。きっと今は伝えない方がいい。それに俺は信じているからな。ヘルが簡単に死ぬような奴じゃないと…。」
手紙に書いてあった訳では無いが…
恐らくはダルデンヌ公爵を探っていたらまさかの大物と出くわしたという感じだろう。
どうせヘルのことだ…。ダルデンヌ公爵を探るためにも結構深くまで潜り込んでいるはずだ。
ヘルの変装はそうそうバレない。顔が変わっている訳でもないのに、不思議とその場に溶け込むと分からなくなるのだ。
それを逆手にとっていつも危ない橋を渡る。ヘルメントとはそういう奴だ。
「アルマン。あいつはもしかしたら、エリス・ジュアンに会ったのかも知れないな。」
「それは…先日ウラヌス国王陛下が話していた…」
俺はその言葉にこくりと頷いた。
エリス・ジュアン。保守派筆頭。自分は動かずに周りを動かす…と言っていたか。
特に憎悪や嫉妬などの感情が好きだとも言っていた。
これだけ聞くと悪魔のような人だ。
それに父上が話していた事をヘルが調べられないわけが無いだろう。
「アルマン…少しメルティの警護を増やしてくれ。」
「承知いたしました。」
ヘルが何をしているのか、全くわからないが信じて待つことにしよう。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
ヘルメント視点。
「ロキ。あなたは私の近くに居なさい。」
ロキ。普段潜入する時に使う名前だ。
従者、兵士、騎士、商人、貴族、農家、神父、医師など様々な顔をもちあわせている。
初めはオストの無茶ぶりから始まった物だが今は以外に楽しんでいる自分がいる。
「承知いたしました。奥様。」
ダルデンヌ公爵家の従者として潜伏してから色々なことが見えてきた。
まず、ダルデンヌ公爵の奥様。ヘシオネリア・ダルデンヌは、香水なのか体臭なのか臭い…。
正直鼻が曲がりそうだ。
従者として雇われてからというもの、何故かヘシオネリアに気に入られてしまいいつも連れて歩かれる。色々調べられるいい機会ではあれど、良いような…悪いような…である。
因みにこの家に来てからアポロは見かけていない。恐らく領地ではなく王都の屋敷にでも居るんだろう。
「ロキ。今日はアーテリアの母エリスとお茶会の予定があるの。貴方は私の可愛い可愛い従者なのだから目移りしないでちょうだいね。」
そんなに僕の顔が好きなのだろうか。
いや…恐らく違うな。僕を通して父上を見ているのだろう。
昔から母上に似てるとは言われてきたが、目元なんかは父上に似ている気がする。
今は髪の色もウィッグを被って金髪にしているし、余計に似ているのかもしれない。
「分かっていますよ。僕は奥様の従者です。他の人に目移りなんてしませんって。」
それにしてもアーテリアの母親か…。
アーテリアとアポロを見ていてもそんなに昔から知り合いって感じではなかったが、この2人には何かあるのだろうか。
「そうよね。私の可愛いロキだもの。」
俺の腕に抱き着いてくるヘシオネリアにゾワゾワと鳥肌が立つ。
こんなの仕事じゃなければやってられない。
「そうですよ。それよりもアーテリア様のお母様とはどんな方なのですか?」
ヘシオネリアを見つめて微笑むと顔を赤くしながら話してくれる。
「エリスとは昔パーティーで出会ったのよ。そこからの付き合いでね。すごく気に入らない女がいたんだけれど、その女のことで色々話を聞いてもらったわ。」
気に入らない女とは…恐らく母上のことだろうな。そう考えるともう20年以上の付き合いということか。
よく今まで気付かれなかったものだ。
それともエリスが上手く誤魔化していたのだろうか。
「そうなんですね。もう親友みたいなものじゃないですか。」
「それは無いわ。利害の一致で一緒にいるだけだもの。」
先程まで楽しそうにしていた姿と売って変わって急に真剣な面持ちになる。
「利害一致…ですか??」
「そうよ。さっ!こんな話はここまでにして今は私たち二人の時間を満喫しましょう!」
利害の一致か…。
勘だが、あまりいい話ではないのだろうな。
ヘシオネリアの考えていることはここに来てから何となくわかるようになってきたが、アーテリアの母親についてはまだ分からないことだらけだ。
このチャンスを逃がしてはならないだろう。
「そうですね。エリス様が来るまで奥様を独り占めさせてください。」
無心でヘシオネリアに抱きついた。
それにしても、この臭い本っ当に何とかならないのか。
酸っぱい匂いが充満して目から勝手に涙が出る。
どうにかこの場を乗り切ろうと思っていると天の声が聞こえた。
「奥様。お取り込み中のところ申し訳ございません。ジュアン侯爵夫人が来られました。」
僕は大きく胸を撫で下ろし、奥様と一緒に応接室に向かった。
ヘリーオスト王太子殿下視点。
「よかったのですか?」
メルティが帰宅したあと。ヘルからの手紙を再度読む。
「何がだ…。」
「ヘルメント様の事です…。」
ヘルメントから手紙には最後に一言、メーティアを頼むと書いてあった。
ヘルメントがそんな書き方をするのは珍しい、書き方が「これから死地に赴く」と言っているようなものだ。
「あぁ。きっと今は伝えない方がいい。それに俺は信じているからな。ヘルが簡単に死ぬような奴じゃないと…。」
手紙に書いてあった訳では無いが…
恐らくはダルデンヌ公爵を探っていたらまさかの大物と出くわしたという感じだろう。
どうせヘルのことだ…。ダルデンヌ公爵を探るためにも結構深くまで潜り込んでいるはずだ。
ヘルの変装はそうそうバレない。顔が変わっている訳でもないのに、不思議とその場に溶け込むと分からなくなるのだ。
それを逆手にとっていつも危ない橋を渡る。ヘルメントとはそういう奴だ。
「アルマン。あいつはもしかしたら、エリス・ジュアンに会ったのかも知れないな。」
「それは…先日ウラヌス国王陛下が話していた…」
俺はその言葉にこくりと頷いた。
エリス・ジュアン。保守派筆頭。自分は動かずに周りを動かす…と言っていたか。
特に憎悪や嫉妬などの感情が好きだとも言っていた。
これだけ聞くと悪魔のような人だ。
それに父上が話していた事をヘルが調べられないわけが無いだろう。
「アルマン…少しメルティの警護を増やしてくれ。」
「承知いたしました。」
ヘルが何をしているのか、全くわからないが信じて待つことにしよう。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
ヘルメント視点。
「ロキ。あなたは私の近くに居なさい。」
ロキ。普段潜入する時に使う名前だ。
従者、兵士、騎士、商人、貴族、農家、神父、医師など様々な顔をもちあわせている。
初めはオストの無茶ぶりから始まった物だが今は以外に楽しんでいる自分がいる。
「承知いたしました。奥様。」
ダルデンヌ公爵家の従者として潜伏してから色々なことが見えてきた。
まず、ダルデンヌ公爵の奥様。ヘシオネリア・ダルデンヌは、香水なのか体臭なのか臭い…。
正直鼻が曲がりそうだ。
従者として雇われてからというもの、何故かヘシオネリアに気に入られてしまいいつも連れて歩かれる。色々調べられるいい機会ではあれど、良いような…悪いような…である。
因みにこの家に来てからアポロは見かけていない。恐らく領地ではなく王都の屋敷にでも居るんだろう。
「ロキ。今日はアーテリアの母エリスとお茶会の予定があるの。貴方は私の可愛い可愛い従者なのだから目移りしないでちょうだいね。」
そんなに僕の顔が好きなのだろうか。
いや…恐らく違うな。僕を通して父上を見ているのだろう。
昔から母上に似てるとは言われてきたが、目元なんかは父上に似ている気がする。
今は髪の色もウィッグを被って金髪にしているし、余計に似ているのかもしれない。
「分かっていますよ。僕は奥様の従者です。他の人に目移りなんてしませんって。」
それにしてもアーテリアの母親か…。
アーテリアとアポロを見ていてもそんなに昔から知り合いって感じではなかったが、この2人には何かあるのだろうか。
「そうよね。私の可愛いロキだもの。」
俺の腕に抱き着いてくるヘシオネリアにゾワゾワと鳥肌が立つ。
こんなの仕事じゃなければやってられない。
「そうですよ。それよりもアーテリア様のお母様とはどんな方なのですか?」
ヘシオネリアを見つめて微笑むと顔を赤くしながら話してくれる。
「エリスとは昔パーティーで出会ったのよ。そこからの付き合いでね。すごく気に入らない女がいたんだけれど、その女のことで色々話を聞いてもらったわ。」
気に入らない女とは…恐らく母上のことだろうな。そう考えるともう20年以上の付き合いということか。
よく今まで気付かれなかったものだ。
それともエリスが上手く誤魔化していたのだろうか。
「そうなんですね。もう親友みたいなものじゃないですか。」
「それは無いわ。利害の一致で一緒にいるだけだもの。」
先程まで楽しそうにしていた姿と売って変わって急に真剣な面持ちになる。
「利害一致…ですか??」
「そうよ。さっ!こんな話はここまでにして今は私たち二人の時間を満喫しましょう!」
利害の一致か…。
勘だが、あまりいい話ではないのだろうな。
ヘシオネリアの考えていることはここに来てから何となくわかるようになってきたが、アーテリアの母親についてはまだ分からないことだらけだ。
このチャンスを逃がしてはならないだろう。
「そうですね。エリス様が来るまで奥様を独り占めさせてください。」
無心でヘシオネリアに抱きついた。
それにしても、この臭い本っ当に何とかならないのか。
酸っぱい匂いが充満して目から勝手に涙が出る。
どうにかこの場を乗り切ろうと思っていると天の声が聞こえた。
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僕は大きく胸を撫で下ろし、奥様と一緒に応接室に向かった。
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