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再び戦場に!
グラスドラゴン
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空気が段々と重くなってきたところを歩いていると前回と同じように全く魔物が居ないところがあった。
「皆、警戒態勢をとれ!」
急いで指示を出していく。勿論私もレイピアを片手にもち片手は少し厚手の手袋だ。
理由は寒さ対策である。決して殴るからとかでは無い…。
前にいる者達が盾をもって進んでいくと、地面が少し動いた、
「皆地中だ。地中の中にいるから気をつけろ!」
急に地面が揺れ始め、地響きがする。
音を聞く感じ少しづつ動いているようだ。
音を辿りながら動きを把握すると上の方から雪がすごい勢いで落ちて来るのが見える。
「皆、急いで避難しろ!雪崩が起きるぞ!」
そう伝えると急いで皆が雪山をおりていく。
その姿を見て私は急いで指示を出した。
「いいか!全員生きてこの場を帰還しろ!それだけを考え前に進め!決して後ろを振り返るなよ!」
「たいちょう!!」
「エル大隊長!」
雪崩を止めるのは無理かもしれないがそれと一緒に来るドラゴンは止められる可能性がある。
出来れば最後にアドルフに色々言ってどん底に落としてやりたかったが、それ以上に私はこのバカたちの方が大事らしい。
「いつの間にかここが私の居場所になっていたんだな…」
レイピアを手に持ち、一つ一つ雪を踏み締めながらドラゴンの方へ向かう。
ドラゴンが地面を進んだところが大きな蚯蚓脹れのように盛りあがっていた。
ドラゴンが出てくるであろう場所を目掛けて走り出すと少しずつドラゴンが顔を出した。
そしてグラスドラゴンが胴体まで出すと同時に雪山が大きな音を立てて崩れ始めた。
「私はこんなものでやられるつもりは無いぞ!」大きく上に飛び上がり、ドラゴンの角を持った。グラスドラゴンはドラゴンと言っても羽が生えているドラゴンではないようだ。どちらかというと角のある大きな蛇だろうか…
「冷たっ」
角は氷で覆われていて冷たいが持てないほどではない。
「少し厚めの手袋をしていて正解だったな…そのお陰で凍傷にはならなさそうだ。」
私は1度レイピアをしまい両手で2本の角を持った。そしてドラゴンを操縦するような感じで顔を動かす。
「ここまで来ると荒業だが、どこか岩のあるところに向かって岩に頭をぶつけるか…」
ドラゴンを操縦しながら前に進むと丁度いいサイズの岩を見つけると、勢いよくドラゴンの頭を上にもちあげてから岩に向けて顔面を振った。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
ルエル視点。
隊長に逃げるよう言われ、急いで雪山を避難下まではよかったが、隊長だけがここにいなかった。
「隊長は…?」
「俺も探しているが…見つからない。」
隊長が避難指示をだしたおかげで雪崩に巻き込まれた人は居ないようだ。
どうやらほかの皆も隊長を探しているようだ。
なんなら泣いているやつまでいる。
強面の男達がなく姿はなんと言うか…違う意味で記録に残りそうだ。
そんな中一人の男が声を上げる。
「俺、見たんだ!隊長がドラゴンを操縦しているところを。昔から狩りして生活してきたから目だけはすごくいいんだ。だから間違いない!」
「「「ドラゴンをそうじゅぅぅぅううう!?!?」」」
思わず皆の声が揃う。
「あぁ、頭の上に乗って角を手で掴んでそのまま方向転換して言った。」
「サディ、隊長はどっちの方向へ行った?」
きっと何か意味があってあっちに連れていったんだろうが…一体何があるんだ…
僕と、ヘッディー、ヤーコフで悩んでいると、団長が声を掛けてきた。
「あいつのことだ。どうせ、頭を固いものにぶつければ氷が割れるとか思って連れてったんだろう。」
「なるほど。確かに思ってそうだな。」
団長の言葉にヘッディーも納得する。
「だってあの二人の兄弟だからな。頭の作りはそっくりなはずだ。」
頭の作りがそっくりとか本人の前で言ったら嫌われそうですけどね。
本当に旦那様は、一言余計です。本人に嫌われたら離婚後の結婚も難しくなるでしょう。
「旦那様。そんな事言うと、エル大隊長に嫌われてしまいますよ。」
小さい声で団長に伝えると、団長は少しあたふたしながら、小声で「聞かなかったことにしてくれ」と言ってきた。
僕はその言葉に「ハイハイ」と相槌をうった。
「ルエル。サディが言っていた方に行ってみようと思うが、お前はどうする?」
手を振りながらヘッディーが話しかけてくるので僕は走ってヘッディーに近寄り、一緒に隊長を探すことにした。すこし後ろから団長が着いてきていたが、見ないふりをして進んだ。
歩き始めて1時間…
そこには見た事のある人が倒れていた…
「「「隊長!!!」」」「エル!!!」
団長が駆け寄っていく姿を見て、ヘッディー達がびっくりしたのは言うまでもない。
「エル。しっかりしろ!」
団長は隊長の肩を揺さぶるが、全く反応がなかったため、自分の上着をかけて横抱きに抱えて歩きだす。
傍から見ると憧れの光景なのだと思うが、その後ろに横たわるドラゴンを見て隊長がひとりで倒したかと思うと全く憧れることは出来なかった。
「皆、警戒態勢をとれ!」
急いで指示を出していく。勿論私もレイピアを片手にもち片手は少し厚手の手袋だ。
理由は寒さ対策である。決して殴るからとかでは無い…。
前にいる者達が盾をもって進んでいくと、地面が少し動いた、
「皆地中だ。地中の中にいるから気をつけろ!」
急に地面が揺れ始め、地響きがする。
音を聞く感じ少しづつ動いているようだ。
音を辿りながら動きを把握すると上の方から雪がすごい勢いで落ちて来るのが見える。
「皆、急いで避難しろ!雪崩が起きるぞ!」
そう伝えると急いで皆が雪山をおりていく。
その姿を見て私は急いで指示を出した。
「いいか!全員生きてこの場を帰還しろ!それだけを考え前に進め!決して後ろを振り返るなよ!」
「たいちょう!!」
「エル大隊長!」
雪崩を止めるのは無理かもしれないがそれと一緒に来るドラゴンは止められる可能性がある。
出来れば最後にアドルフに色々言ってどん底に落としてやりたかったが、それ以上に私はこのバカたちの方が大事らしい。
「いつの間にかここが私の居場所になっていたんだな…」
レイピアを手に持ち、一つ一つ雪を踏み締めながらドラゴンの方へ向かう。
ドラゴンが地面を進んだところが大きな蚯蚓脹れのように盛りあがっていた。
ドラゴンが出てくるであろう場所を目掛けて走り出すと少しずつドラゴンが顔を出した。
そしてグラスドラゴンが胴体まで出すと同時に雪山が大きな音を立てて崩れ始めた。
「私はこんなものでやられるつもりは無いぞ!」大きく上に飛び上がり、ドラゴンの角を持った。グラスドラゴンはドラゴンと言っても羽が生えているドラゴンではないようだ。どちらかというと角のある大きな蛇だろうか…
「冷たっ」
角は氷で覆われていて冷たいが持てないほどではない。
「少し厚めの手袋をしていて正解だったな…そのお陰で凍傷にはならなさそうだ。」
私は1度レイピアをしまい両手で2本の角を持った。そしてドラゴンを操縦するような感じで顔を動かす。
「ここまで来ると荒業だが、どこか岩のあるところに向かって岩に頭をぶつけるか…」
ドラゴンを操縦しながら前に進むと丁度いいサイズの岩を見つけると、勢いよくドラゴンの頭を上にもちあげてから岩に向けて顔面を振った。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
ルエル視点。
隊長に逃げるよう言われ、急いで雪山を避難下まではよかったが、隊長だけがここにいなかった。
「隊長は…?」
「俺も探しているが…見つからない。」
隊長が避難指示をだしたおかげで雪崩に巻き込まれた人は居ないようだ。
どうやらほかの皆も隊長を探しているようだ。
なんなら泣いているやつまでいる。
強面の男達がなく姿はなんと言うか…違う意味で記録に残りそうだ。
そんな中一人の男が声を上げる。
「俺、見たんだ!隊長がドラゴンを操縦しているところを。昔から狩りして生活してきたから目だけはすごくいいんだ。だから間違いない!」
「「「ドラゴンをそうじゅぅぅぅううう!?!?」」」
思わず皆の声が揃う。
「あぁ、頭の上に乗って角を手で掴んでそのまま方向転換して言った。」
「サディ、隊長はどっちの方向へ行った?」
きっと何か意味があってあっちに連れていったんだろうが…一体何があるんだ…
僕と、ヘッディー、ヤーコフで悩んでいると、団長が声を掛けてきた。
「あいつのことだ。どうせ、頭を固いものにぶつければ氷が割れるとか思って連れてったんだろう。」
「なるほど。確かに思ってそうだな。」
団長の言葉にヘッディーも納得する。
「だってあの二人の兄弟だからな。頭の作りはそっくりなはずだ。」
頭の作りがそっくりとか本人の前で言ったら嫌われそうですけどね。
本当に旦那様は、一言余計です。本人に嫌われたら離婚後の結婚も難しくなるでしょう。
「旦那様。そんな事言うと、エル大隊長に嫌われてしまいますよ。」
小さい声で団長に伝えると、団長は少しあたふたしながら、小声で「聞かなかったことにしてくれ」と言ってきた。
僕はその言葉に「ハイハイ」と相槌をうった。
「ルエル。サディが言っていた方に行ってみようと思うが、お前はどうする?」
手を振りながらヘッディーが話しかけてくるので僕は走ってヘッディーに近寄り、一緒に隊長を探すことにした。すこし後ろから団長が着いてきていたが、見ないふりをして進んだ。
歩き始めて1時間…
そこには見た事のある人が倒れていた…
「「「隊長!!!」」」「エル!!!」
団長が駆け寄っていく姿を見て、ヘッディー達がびっくりしたのは言うまでもない。
「エル。しっかりしろ!」
団長は隊長の肩を揺さぶるが、全く反応がなかったため、自分の上着をかけて横抱きに抱えて歩きだす。
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