え?私、悪役令嬢だったんですか?まったく知りませんでした。

ゆずこしょう

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婚約破棄に向けて

証人一人目。

レン様たちに話してから数日経った。やらなくてはならないことがあるとあっという間に時間が過ぎていく。ここ数日はマーティン様以外の方々とお会いすることはなかった。マーティン様ともあまり話す機会はない。
今日は珍しくお弁当の準備をしていなかったこともあり、貴族院の学食にきていた。ミーナは婚約者のハスラー様と食べるとのことだったので、メイドのディーダと二人だ。
「ディーダ、どこか席開いているかしら?」見たところ人が多く、空いている席を探すのが大変そうだ。
「空いている席がないか少し見てきますね。」とディーダがその場を離れたので、私は何を食べようかメニューを見ていた。トマト系のパスタもおいしそうだし、シチューもとてもおいしそうだ。あとはステーキなど豪華なものが並んでいる。さすが貴族院だ。いろいろ悩んでいるとディーダが戻ってきたので、席に座る。
「今日は、パスタにするわ。日替わりパスタをお願いしてもいいかしら。」ディーダに頼むと、「承知いたしました。すぐ行ってまいります」とその場を去っていく。

私はパスタが来るまでの間、持ってきている本を読もうと本を出す。そして本を読みながら待っていると一人の女性が現れた。「夢女」である。

「いったーい!何するのよ!」

「え!?前と同じですか!?」頭の中で思っていたことを思わず口走ってしまっていた。

「あなたね!いつも私に嫌がらせするのは!トーマス様が見向いてくれないからって八つ当たりしないでよ!」
正直見向いてくれないのはありがたいし、いやがらせするほどトーマスのことを好ではない…私はとりあえずあたりを見渡して、今回の一連の騒動を話してくれそうな一人を見つけた。同じクラスのラパーニャ様だ。いつも一人で本読んでいるので、似たものを感じ名前を憶えていたのだった。

取りあえずラパーニャ様にお願いするためにも、目の前の出来事を何とかしなくてはならない。
「すみません!何もしていないんですが、大丈夫ですか?」手を出すと手を思いっきりたたかれる。
「たたく元気もおありのようなので、大丈夫そうですね。よかったです。それではごきげんよう!」そう言って別の席に移動しようとしたとき...

「きゃぁぁぁああ!!」大きな悲鳴が聞こえた。しかもすぐ隣からだ。隣を見たら、夢女さんが持っていたシチューをひっくり返していた。
「あっつーい!いい加減にしてよぉ…」といって泣き出したのである。
そしたらまさかのタイミングで現れるトーマス。本当にうまくできている台本だ。
「お前、いい加減にしろよ。ドロシー大丈夫かい?一緒に医務室に行こう。」そういってドロシーの腰に手を置いてこの場を去っていった。

私はこの一部始終をみていたひとり、ラパーニャ様に声をかける。
「すみません!同じクラスのラパーニャ様ですよね!お願いがございまして...」
「パ、パ、パトリシア嬢…すみません私の名前はラパーニャではなくパリスです。パしか名前があっていないです…」
今までずっとラパーニャ様だと思っていた私はあまりの違いに吃驚した。
「大変失礼いたしました。パリス様ですね…パリス様にお願いがあるのですが...」そう言って今までのことを話した。

「なるほど、私に証人になってほしいということですね!わかりました。そろそろ噂話をきくのも飽きてきていましたし、力を貸しましょう!」
手を出してきたので、手を握り返し、握手を交わした。
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