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2話②
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「……なぁ。ところでひとつ聞いてもいいか」
「はい……?」
少し日が下を向き始めたくらいの午後。ステラも自習を終えたのか、ぼーっと窓の外を眺めていた。俺の言葉に気づくとくるりと振り向き、俺の顔を見る。何度見ても整った顔が、何度も見たからこそわかる整った顔と向かい合う。コミュ障が向き合うにはハードルの高い顔が正面にある。そんな美品を前に、俺はばれない程度視線を彼女の後ろの壁の方へとずらした。
「気になっていたことがあるんだ」
「……なんでしょう」
「ここに来たっていうことは、そういうことだよな」
尋ねる上であえて具体的な言葉を使わずにはぐらかした表現を使ったのは、俺なりの配慮のつもりだった。
「……まぁ、そういうことになります、ね」
探り合うように言葉を交わす。
「……先輩は、人と話すの、好きですか?」
「場合にもよるがそもそもあまり得意じゃないな。嫌いではないが、好きでもないという感じかな。曖昧な答えにはなるけれど」
「いえ、大丈夫ですよ」
ステラは少しうつむくように言葉を口にする。
「私は好きです。……いえ、好き、でした」
「……過去形、か」
あえて比べるように、時系列の見えるように紡がれたセリフにステラという人間の深部が映ったように見えた。
「私、ちょっと前までは見た目が違ったんです」
「……これ、今よりも髪が、長い、よな」
見せてくれたスマホの画面には、ステラらしき人物が映っていた。ステラらしき、という認識になってしまうのは、その画像のステラと目の前にいるステラが違う存在のように見えたからだった。
画面の中のステラは今も綺麗なあの銀髪を腰のあたりまで長く伸ばし、風に靡かせていた。ブラウスの上にはパーカーの代わりに学校指定のベストを着ており、服装の影響もあるのか、表情も画像の方が柔らかく感じる。
誰もが馴染みやすそうな優等生の雰囲気を醸し出していた。
「はい。それが元々の私、です」
「なんで切ってしまったんだ?」
髪は長くとも十分にステラに似合っていた。なんなら今のステラよりの元々のステラの方が言い方は悪いがとっつきやすく明るい印象だった。今のステラが見劣りすると言ったことではないものの、でも元々の方が良かったという感想を抱いてしまう。そもそも、髪は女の命とも言われるような代物であるというのに。
「……人付き合いに、もう疲れちゃったんです」
「疲れ、た?」
「先輩は今の私と元々の私。どっちの方が好き、ですか?」
「どっちって、……ま、まぁ、強いて言えば元々のステラの方が俺としては声かけやすいかな、と思うけど」
率直な感想だった。俺はまだ大してステラという人間のことを知らないが、見た目と言う点ではそう思った。もちろん、だからといって俺に声をかけるような勇気はないが。
「……だから、髪を切ったんですよ」
そう言うとステラは短くなったはずの自身の髪を梳かすように指に絡ませる。手櫛で髪を梳かすようなその仕草は、どこかあの時の長髪を懐かしむような哀愁があった。
「自慢にもならないし、今考えてみたらこれはすごく幸せなことだったのかもしれないんですけど。私、自分でもよくわかんないくらいに色んな方々に好意を抱かれていたんです」
「好かれていたってことか」
「はい。それもクラスメイトだけではなく、隣のクラス、同じ学年の生徒。しまいには他学年の生徒からも、告白されるようになったんです。最初はもちろん、それだけ好かれているんだという現状にありがたく思っていたんですけど、断っても断っても告白が絶たなくなってしまって」
「すごい、な」
正直そんな話は小説の中だけだと思っていた。
「まだこれだけで済むならよかったんですけどね。告白を断るとそれはそれで女子からのブーイングが生まれてしまって」
「ブーイング? ……あぁ、僻みってことか」
「まぁそんな感じです。私に告白してきた人の中には、学年でも才色兼備だと人気の男の子もいたみたいで。私は彼にあまり興味が無かったので丁重にお断りさせていただいたんですけど、それが発端になったみたいです。ちやほやされるからってお高くつくな、って。非難されることも多かったです」
「完全に理不尽だな」
「本当にそう思います。そもそも、出会って数ヶ月で何がわかるんだろうって思います。クラスメイトはまだしも、学年の違う生徒なんて私との接点もほとんどないのにどうやって私のことを好きになるんだろうって不思議でした。きっと見た目しか見ていないんだって。だからもちろん私は告白されても断り続けました。そんな、表しか知らずに好かれても嬉しくないですし、私も大して知らない相手と付き合うなんて嫌だったんです。でも、断るとその『断った』という行動の部分だけを見た人から言われました。人気者のつもりか、いつまで人を弄ぶんだって。仲良くしていた友人も次第に私と距離をとるようになっていって、どこまで人を信じていいのか、どこまで踏み入っていいのかわからなくなって。次第に私も、人付き合いに疲れてしまって……」
「だから、切ったのか」
「……はい。現状を変えるには見た目を変えるしかないと思ったんです。元々の私から雰囲気を変えるために、長い髪を切ってボーイッシュなショートにして、兄さんにもらった黒い男性物のパーカーを着て、あまり自分から喋らないようにしました。そうすることでこの現状も落ち着くだろうと、見た目だけで告白してきた方々も減るだろうって。そしたら効果はすぐに出ました。告白もされないようになって、平穏な日々に戻ったんです。ようやくこれで私もみんなと同じように過ごせるって思ったんですけどね、……そうも上手くはいきませんでした。今度は私に関わる人がいなくなってしまったんです。まるで、髪を短くした私には価値がなくなったみたいに、そのまま孤立しちゃいました。私には両極端な二択しか選択肢がないみたいで。居場所もないからどうすることもできなくて、そして、もう学校にも行きたくなくなって……。えへへ、こんな、ダメダメになっちゃいました」
重い話でごめんなさい、とステラは気づかうように微笑みかけるがもう遅い。彼女は、あまりにも多くのことを話し過ぎた。話す上で必要以上に過去の記憶を開きすぎてしまった。秘めておくべきだった感情の蓋までも開けてしまった。
大きな瞳が揺れ、その瞳が透明な膨張するなにかを必死に必死に落とさないように抱え、それが臨界点すれすれになってもまだ抱え続け、それが一層彼女の瞳をエメラルドのように輝かせる。綺麗だが、綺麗だとは思えなかった。
「……私は、どうしたら、よかったんでしょうか」
声を段々と小さくしながらも、言葉をつっかえながらも、どうにか言い切るとステラは耐えきれなくなったのか両手に自身の顔を隠し、うつむいた。声は聞こえなかった。ただ、嗚咽を溜め込んだ体が静かに静かにその肩を震わせる。土砂降りの中、道路の隅に捨てられた、段ボールの中の子犬のようだった。
「……お前はなんも悪くないだろ」
無責任な言葉が口からこぼれた。涙の一滴すら拭えない言葉だった。彼女の苦悩、自責、数多の思いを拭える言葉なんてこの世にはないのではないかと思った。
「……ちょっと外に行く。だからゆっく……」
「……や、です」
「え?」
「……行かないで、ください」
蚊の鳴くような声だった。
「ひとりに、しないでくだ、さい」
「……わかった」
彼女はもう顔を上げていた。目を引くのはやはり、濡れることで光り輝いた大粒のエメラルド。そこからまた一つ、雫が滴り落ちた。悲しい表情だというのに、どこか絵になると思った。そりゃ学校の男子が惚れるわけだと納得する。
「じゃあ、なにかあれば言ってくれ」
「……ありがとう、ございます」
部屋が微かな音のみで満たされる。
通り雨のような音だった。
「はい……?」
少し日が下を向き始めたくらいの午後。ステラも自習を終えたのか、ぼーっと窓の外を眺めていた。俺の言葉に気づくとくるりと振り向き、俺の顔を見る。何度見ても整った顔が、何度も見たからこそわかる整った顔と向かい合う。コミュ障が向き合うにはハードルの高い顔が正面にある。そんな美品を前に、俺はばれない程度視線を彼女の後ろの壁の方へとずらした。
「気になっていたことがあるんだ」
「……なんでしょう」
「ここに来たっていうことは、そういうことだよな」
尋ねる上であえて具体的な言葉を使わずにはぐらかした表現を使ったのは、俺なりの配慮のつもりだった。
「……まぁ、そういうことになります、ね」
探り合うように言葉を交わす。
「……先輩は、人と話すの、好きですか?」
「場合にもよるがそもそもあまり得意じゃないな。嫌いではないが、好きでもないという感じかな。曖昧な答えにはなるけれど」
「いえ、大丈夫ですよ」
ステラは少しうつむくように言葉を口にする。
「私は好きです。……いえ、好き、でした」
「……過去形、か」
あえて比べるように、時系列の見えるように紡がれたセリフにステラという人間の深部が映ったように見えた。
「私、ちょっと前までは見た目が違ったんです」
「……これ、今よりも髪が、長い、よな」
見せてくれたスマホの画面には、ステラらしき人物が映っていた。ステラらしき、という認識になってしまうのは、その画像のステラと目の前にいるステラが違う存在のように見えたからだった。
画面の中のステラは今も綺麗なあの銀髪を腰のあたりまで長く伸ばし、風に靡かせていた。ブラウスの上にはパーカーの代わりに学校指定のベストを着ており、服装の影響もあるのか、表情も画像の方が柔らかく感じる。
誰もが馴染みやすそうな優等生の雰囲気を醸し出していた。
「はい。それが元々の私、です」
「なんで切ってしまったんだ?」
髪は長くとも十分にステラに似合っていた。なんなら今のステラよりの元々のステラの方が言い方は悪いがとっつきやすく明るい印象だった。今のステラが見劣りすると言ったことではないものの、でも元々の方が良かったという感想を抱いてしまう。そもそも、髪は女の命とも言われるような代物であるというのに。
「……人付き合いに、もう疲れちゃったんです」
「疲れ、た?」
「先輩は今の私と元々の私。どっちの方が好き、ですか?」
「どっちって、……ま、まぁ、強いて言えば元々のステラの方が俺としては声かけやすいかな、と思うけど」
率直な感想だった。俺はまだ大してステラという人間のことを知らないが、見た目と言う点ではそう思った。もちろん、だからといって俺に声をかけるような勇気はないが。
「……だから、髪を切ったんですよ」
そう言うとステラは短くなったはずの自身の髪を梳かすように指に絡ませる。手櫛で髪を梳かすようなその仕草は、どこかあの時の長髪を懐かしむような哀愁があった。
「自慢にもならないし、今考えてみたらこれはすごく幸せなことだったのかもしれないんですけど。私、自分でもよくわかんないくらいに色んな方々に好意を抱かれていたんです」
「好かれていたってことか」
「はい。それもクラスメイトだけではなく、隣のクラス、同じ学年の生徒。しまいには他学年の生徒からも、告白されるようになったんです。最初はもちろん、それだけ好かれているんだという現状にありがたく思っていたんですけど、断っても断っても告白が絶たなくなってしまって」
「すごい、な」
正直そんな話は小説の中だけだと思っていた。
「まだこれだけで済むならよかったんですけどね。告白を断るとそれはそれで女子からのブーイングが生まれてしまって」
「ブーイング? ……あぁ、僻みってことか」
「まぁそんな感じです。私に告白してきた人の中には、学年でも才色兼備だと人気の男の子もいたみたいで。私は彼にあまり興味が無かったので丁重にお断りさせていただいたんですけど、それが発端になったみたいです。ちやほやされるからってお高くつくな、って。非難されることも多かったです」
「完全に理不尽だな」
「本当にそう思います。そもそも、出会って数ヶ月で何がわかるんだろうって思います。クラスメイトはまだしも、学年の違う生徒なんて私との接点もほとんどないのにどうやって私のことを好きになるんだろうって不思議でした。きっと見た目しか見ていないんだって。だからもちろん私は告白されても断り続けました。そんな、表しか知らずに好かれても嬉しくないですし、私も大して知らない相手と付き合うなんて嫌だったんです。でも、断るとその『断った』という行動の部分だけを見た人から言われました。人気者のつもりか、いつまで人を弄ぶんだって。仲良くしていた友人も次第に私と距離をとるようになっていって、どこまで人を信じていいのか、どこまで踏み入っていいのかわからなくなって。次第に私も、人付き合いに疲れてしまって……」
「だから、切ったのか」
「……はい。現状を変えるには見た目を変えるしかないと思ったんです。元々の私から雰囲気を変えるために、長い髪を切ってボーイッシュなショートにして、兄さんにもらった黒い男性物のパーカーを着て、あまり自分から喋らないようにしました。そうすることでこの現状も落ち着くだろうと、見た目だけで告白してきた方々も減るだろうって。そしたら効果はすぐに出ました。告白もされないようになって、平穏な日々に戻ったんです。ようやくこれで私もみんなと同じように過ごせるって思ったんですけどね、……そうも上手くはいきませんでした。今度は私に関わる人がいなくなってしまったんです。まるで、髪を短くした私には価値がなくなったみたいに、そのまま孤立しちゃいました。私には両極端な二択しか選択肢がないみたいで。居場所もないからどうすることもできなくて、そして、もう学校にも行きたくなくなって……。えへへ、こんな、ダメダメになっちゃいました」
重い話でごめんなさい、とステラは気づかうように微笑みかけるがもう遅い。彼女は、あまりにも多くのことを話し過ぎた。話す上で必要以上に過去の記憶を開きすぎてしまった。秘めておくべきだった感情の蓋までも開けてしまった。
大きな瞳が揺れ、その瞳が透明な膨張するなにかを必死に必死に落とさないように抱え、それが臨界点すれすれになってもまだ抱え続け、それが一層彼女の瞳をエメラルドのように輝かせる。綺麗だが、綺麗だとは思えなかった。
「……私は、どうしたら、よかったんでしょうか」
声を段々と小さくしながらも、言葉をつっかえながらも、どうにか言い切るとステラは耐えきれなくなったのか両手に自身の顔を隠し、うつむいた。声は聞こえなかった。ただ、嗚咽を溜め込んだ体が静かに静かにその肩を震わせる。土砂降りの中、道路の隅に捨てられた、段ボールの中の子犬のようだった。
「……お前はなんも悪くないだろ」
無責任な言葉が口からこぼれた。涙の一滴すら拭えない言葉だった。彼女の苦悩、自責、数多の思いを拭える言葉なんてこの世にはないのではないかと思った。
「……ちょっと外に行く。だからゆっく……」
「……や、です」
「え?」
「……行かないで、ください」
蚊の鳴くような声だった。
「ひとりに、しないでくだ、さい」
「……わかった」
彼女はもう顔を上げていた。目を引くのはやはり、濡れることで光り輝いた大粒のエメラルド。そこからまた一つ、雫が滴り落ちた。悲しい表情だというのに、どこか絵になると思った。そりゃ学校の男子が惚れるわけだと納得する。
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