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8話②
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「先輩。次、私たちの番ですよ」
本堂に並んでいた参拝者たちの列はどんどん捌けていき、ようやく俺とステラの属した横一列が最前列になった。二十分ほどは待っただろうか。年末の特番、課題の進行具合、最近読んだ小説。待つ間はそれこそ、書き留めるほどでもない世間話を交わしていた。
俺たちは本堂へ一歩近づき、五円玉を賽銭箱へ投げ入れる。チャリン、と賽銭箱の奥で硬貨同士の摩擦が聞こえた。定められた作法をなぞるように済ませ、瞑った目の奥でたった一つの願いを唱える。
この場所が、なくなりませんように。
真っ先に浮かぶほどにそれが本心だった。体の奥で唱えた願いがほろほろ溶けていく。そして、その願いの残滓を拭うようにありふれた願いを重ねた。
無病息災、学業上達……。
今年は俺も一応、受験生になるんだし。
そういえば、クラス分けに必要な最終進路希望のプリント、休み明けが提出だっけ。まだ書いていないんだよな。それに出す時は言うまでもないが、梅垣に顔を合わせないといけない。担任に直接渡すようにって言うのは俺みたいな人間には酷なんだよな。また、心が締めつけられなければいいが。
少し先の未来のことすら、目を背けていたくなる。
進まないといけない、避けては通れない未来だと知っているのに。
「……先輩?」
「……なんだ」
ステラの声が聞こえ、意識が現実に戻る。
目を開くと、隣には不思議そうに俺の顔を見上げるステラが立っていた。
「……なにか、ありました?」
「……別に、何でもない」
「……なら、いいのですが」
列から外れましょう、とステラがジェスチャーを見せるので、俺はつられるように列から捌ける。無言のまま、人の列をすり抜けた。本堂に並ぶ人の列からは離れたというのに、ステラは何人も何人もすり抜ける。俺もそんなステラをついていく。
ステラの肩には、孤独が見えた。
「……なんでもない、っていうのは嘘ですよね」
本堂から離れた境内の端、人の少ない場末まで歩くと、足を止め、振り返ったステラが口を開いた。同じように俺も足を止める。見上げるステラの顔は、薄ら曇っていた。
「……気づいていたのか」
「逆にどうして気づかないと思ったんですか」
あんなに思いつめたような顔をしていたのに、と指摘され、俺は初めて顔に出ていたことに気づいた。そんなにわかりやすい人間だったのか、俺は。
「私は別に全て隠さずに言え、なんてことは言いません。先輩には先輩が一人で消化したいものもあると思いますから、そんな傲慢なことは言いません」
花緑青の瞳が、俺の荒んだ目を浄化するように見つめる。
「でも、偽らないでください。隠さないでください。なにか、思いつめるものがあるのなら、あるという事実だけはちゃんと言ってください。私は、なにもできないかもしれません。でも、先輩のことはちゃんとわかっていたい、から。私が知らない間に、先輩が苦しんでいた、なんて私は絶対に嫌、なので」
「……すまん、悪かった」
俺は軽く頭を下げた。
「……別に、大したことじゃないんだよ。ただ、俺ももう受験生だと思うと、そんな現実に少し嫌気が刺してしまってな」
「あぁ……、確かに、そうですよね……」
「まぁ、頑張らないといけないことに変わりはないからな。一応、自分なりに頑張ろうとは思うが。……そういや、ステラはなにをお願いしたんだ?」
「私ですか? 大方は一般的なものなので割愛しますが、一番最初にお願いしたのは、やはりあの居場所がなくならないように、ってものです」
俺と同じだと、静かに思った。あの場所が俺と同じように大切なものであってくれている事実は素直に嬉しいものである。
「私はあの場所がずっと、永遠に続くなんて思っていません。いつかは、私もあそこをちゃんと自分の意志で出なくてはならないと、思っています」
「えらいな」
俺には言えない言葉だと思った。
「でもあの場所は、今の形のままではなくとも、どんな形になったとしても、残ってほしいと思います。それに、一歩前に進んだからって、今までの居場所がなかったものになるのは寂しいじゃないですか。私はまだ、先輩と一緒にいたいって思っていますから」
どこか儚げな様子のステラは、鮮麗された見た目と相俟って麗しく見えた。日に照らされた表情が淡い。心なしか、頬には紅が差してあるようにも見えた。
「先輩はなにをお願いしたんですか?」
「俺?」
「はい。先輩のも教えてほしいです」
「ステラと大体同じようなもんだぞ。……まぁ、受験生らしく勉強とか、だな。あとは、……俺も、あの場所がなくならないといいよな、って」
やはり、それが隠しきれない本心だった。
「俺は、あの司書室って居場所があったから、今の俺がこうしているって思うんだよな。あの変人も、ステラも、いてくれたから、俺は変わろうとできているんだと思う」
まだ、変わったと言うには不十分かもしれないが。
「……先輩はやっぱり変わったと思います。わかりやすくなりました」
「わかりやすい?」
「はい。わかりやすくなりました。前の先輩は素は出してくれないし、こうやってお話してくれませんでした」
「……そうだったかもな」
あの時の俺はだって、という言い訳を飲み込んだ。
どんな言葉で装飾したって、誤魔化したって全ては言い訳になる。それが当時の俺だった。こうして気づけなければ、今も変わらず、閉じこもった孤独な人生を正解だと思って生き続けていたんだろう。
「……ありがとな」
「いいんです。あそこはみんなの居場所、なんですから」
柔らかくしっとりと紡がれた言葉の響きに心臓が誤作動のように鼓動を早める。
おい俺、そうやって言葉を自分勝手に都合よく解釈するな。
「そろそろ行きましょうか。私、おみくじしたいです」
「あぁ、それもいいな」
「って、ことで先輩」
ステラの指さす方、おみくじの周りには、人だかりができている。
「あそこに行きたいんですけど、人が多いじゃないですか」
「あぁ、そうだな」
「行ったらはぐれちゃいそうですね」
「結構、密になっているもんな」
「……はぐれたら、困るので」
ステラの左手が、俺のコートの袖口を遠慮がちに摘む。
「……………手、繋いでもいいですか?」
熱を帯びた甘い言葉が、俺の鼓膜を静かに揺らす。
ずるいと思った。
「……好きにしたらいい」
断るなんて選択肢はない。
俺になかったのは、その先の、素直に頷く器量だった。
「……じゃあ、お言葉に甘えて」
控えめなスロースピードでコートの中、俺の右手にステラの左手が辿りつく。そしてお互い、手のひらを合わせるように密着させ、そのまま互いの指が交互に絡むように軽く握りしめる。温かく、どこか柔らかい肌の感触が新鮮だった。
ステラと、手を繋いでいる。
「……あったかい、ですね」
「嘘つけ。俺の手、ステラより冷たいだろ」
「先輩のばか。わかっても言わないのがロマンチックなんですよ」
「そういうものなのか」
「そういうもの、なんです。……それに、ちゃんと温かいって感じることができていますから、あながち嘘じゃないんですよ」
手を繋ぐことで必然的に近づいた距離感に慣れぬ心臓が暴れる。
言葉以上に、それは心臓に悪かった。
「……行くぞ」
「……はい」
横に並び、歩みを進める。
頬が赤いのはもう、言うまでもない。
俺はあの変人の言う通り、恋をしているからだと思った。
本堂に並んでいた参拝者たちの列はどんどん捌けていき、ようやく俺とステラの属した横一列が最前列になった。二十分ほどは待っただろうか。年末の特番、課題の進行具合、最近読んだ小説。待つ間はそれこそ、書き留めるほどでもない世間話を交わしていた。
俺たちは本堂へ一歩近づき、五円玉を賽銭箱へ投げ入れる。チャリン、と賽銭箱の奥で硬貨同士の摩擦が聞こえた。定められた作法をなぞるように済ませ、瞑った目の奥でたった一つの願いを唱える。
この場所が、なくなりませんように。
真っ先に浮かぶほどにそれが本心だった。体の奥で唱えた願いがほろほろ溶けていく。そして、その願いの残滓を拭うようにありふれた願いを重ねた。
無病息災、学業上達……。
今年は俺も一応、受験生になるんだし。
そういえば、クラス分けに必要な最終進路希望のプリント、休み明けが提出だっけ。まだ書いていないんだよな。それに出す時は言うまでもないが、梅垣に顔を合わせないといけない。担任に直接渡すようにって言うのは俺みたいな人間には酷なんだよな。また、心が締めつけられなければいいが。
少し先の未来のことすら、目を背けていたくなる。
進まないといけない、避けては通れない未来だと知っているのに。
「……先輩?」
「……なんだ」
ステラの声が聞こえ、意識が現実に戻る。
目を開くと、隣には不思議そうに俺の顔を見上げるステラが立っていた。
「……なにか、ありました?」
「……別に、何でもない」
「……なら、いいのですが」
列から外れましょう、とステラがジェスチャーを見せるので、俺はつられるように列から捌ける。無言のまま、人の列をすり抜けた。本堂に並ぶ人の列からは離れたというのに、ステラは何人も何人もすり抜ける。俺もそんなステラをついていく。
ステラの肩には、孤独が見えた。
「……なんでもない、っていうのは嘘ですよね」
本堂から離れた境内の端、人の少ない場末まで歩くと、足を止め、振り返ったステラが口を開いた。同じように俺も足を止める。見上げるステラの顔は、薄ら曇っていた。
「……気づいていたのか」
「逆にどうして気づかないと思ったんですか」
あんなに思いつめたような顔をしていたのに、と指摘され、俺は初めて顔に出ていたことに気づいた。そんなにわかりやすい人間だったのか、俺は。
「私は別に全て隠さずに言え、なんてことは言いません。先輩には先輩が一人で消化したいものもあると思いますから、そんな傲慢なことは言いません」
花緑青の瞳が、俺の荒んだ目を浄化するように見つめる。
「でも、偽らないでください。隠さないでください。なにか、思いつめるものがあるのなら、あるという事実だけはちゃんと言ってください。私は、なにもできないかもしれません。でも、先輩のことはちゃんとわかっていたい、から。私が知らない間に、先輩が苦しんでいた、なんて私は絶対に嫌、なので」
「……すまん、悪かった」
俺は軽く頭を下げた。
「……別に、大したことじゃないんだよ。ただ、俺ももう受験生だと思うと、そんな現実に少し嫌気が刺してしまってな」
「あぁ……、確かに、そうですよね……」
「まぁ、頑張らないといけないことに変わりはないからな。一応、自分なりに頑張ろうとは思うが。……そういや、ステラはなにをお願いしたんだ?」
「私ですか? 大方は一般的なものなので割愛しますが、一番最初にお願いしたのは、やはりあの居場所がなくならないように、ってものです」
俺と同じだと、静かに思った。あの場所が俺と同じように大切なものであってくれている事実は素直に嬉しいものである。
「私はあの場所がずっと、永遠に続くなんて思っていません。いつかは、私もあそこをちゃんと自分の意志で出なくてはならないと、思っています」
「えらいな」
俺には言えない言葉だと思った。
「でもあの場所は、今の形のままではなくとも、どんな形になったとしても、残ってほしいと思います。それに、一歩前に進んだからって、今までの居場所がなかったものになるのは寂しいじゃないですか。私はまだ、先輩と一緒にいたいって思っていますから」
どこか儚げな様子のステラは、鮮麗された見た目と相俟って麗しく見えた。日に照らされた表情が淡い。心なしか、頬には紅が差してあるようにも見えた。
「先輩はなにをお願いしたんですか?」
「俺?」
「はい。先輩のも教えてほしいです」
「ステラと大体同じようなもんだぞ。……まぁ、受験生らしく勉強とか、だな。あとは、……俺も、あの場所がなくならないといいよな、って」
やはり、それが隠しきれない本心だった。
「俺は、あの司書室って居場所があったから、今の俺がこうしているって思うんだよな。あの変人も、ステラも、いてくれたから、俺は変わろうとできているんだと思う」
まだ、変わったと言うには不十分かもしれないが。
「……先輩はやっぱり変わったと思います。わかりやすくなりました」
「わかりやすい?」
「はい。わかりやすくなりました。前の先輩は素は出してくれないし、こうやってお話してくれませんでした」
「……そうだったかもな」
あの時の俺はだって、という言い訳を飲み込んだ。
どんな言葉で装飾したって、誤魔化したって全ては言い訳になる。それが当時の俺だった。こうして気づけなければ、今も変わらず、閉じこもった孤独な人生を正解だと思って生き続けていたんだろう。
「……ありがとな」
「いいんです。あそこはみんなの居場所、なんですから」
柔らかくしっとりと紡がれた言葉の響きに心臓が誤作動のように鼓動を早める。
おい俺、そうやって言葉を自分勝手に都合よく解釈するな。
「そろそろ行きましょうか。私、おみくじしたいです」
「あぁ、それもいいな」
「って、ことで先輩」
ステラの指さす方、おみくじの周りには、人だかりができている。
「あそこに行きたいんですけど、人が多いじゃないですか」
「あぁ、そうだな」
「行ったらはぐれちゃいそうですね」
「結構、密になっているもんな」
「……はぐれたら、困るので」
ステラの左手が、俺のコートの袖口を遠慮がちに摘む。
「……………手、繋いでもいいですか?」
熱を帯びた甘い言葉が、俺の鼓膜を静かに揺らす。
ずるいと思った。
「……好きにしたらいい」
断るなんて選択肢はない。
俺になかったのは、その先の、素直に頷く器量だった。
「……じゃあ、お言葉に甘えて」
控えめなスロースピードでコートの中、俺の右手にステラの左手が辿りつく。そしてお互い、手のひらを合わせるように密着させ、そのまま互いの指が交互に絡むように軽く握りしめる。温かく、どこか柔らかい肌の感触が新鮮だった。
ステラと、手を繋いでいる。
「……あったかい、ですね」
「嘘つけ。俺の手、ステラより冷たいだろ」
「先輩のばか。わかっても言わないのがロマンチックなんですよ」
「そういうものなのか」
「そういうもの、なんです。……それに、ちゃんと温かいって感じることができていますから、あながち嘘じゃないんですよ」
手を繋ぐことで必然的に近づいた距離感に慣れぬ心臓が暴れる。
言葉以上に、それは心臓に悪かった。
「……行くぞ」
「……はい」
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