【連載中】僕を見つめる瞳

かつお

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知らない世界

目が覚めると4

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そんな映画やドラマでしか聞かない言葉を自分に向けられた。


「見たところまだ若いみたいだが.....ハッ、私の私生児と言えとでも命令されたか?」


私生児......?


さっきからどんどん話が分からなくなっていく。


どうにかしてここがどこだか聞き出したいが、首に走っているヒヤリとした感触....


腰にぶら下がっていたあの豪華な剣が刃を見せ僕の首に当てられていた。


少しでも動けばきっと殺されてしまうのだろう。


慎重に言葉を選ばなければならない。


「何も答えないか...よく訓練されているようだな」


「..............(いやどう説明したら穏便にすむか考えてるからもう少し待ってくれ)」


蔑んだ目で僕を見下ろしそう言った。


とにかく早急に言葉を発さなければならない。


そう思ったその時


「お前のようなやつをなぜ家に入れてしまったのか分からない。あの子のためにも...........このままにしてはおけない」


「............(あの子?)」


あの子とは一体誰のことなんだろうか。


「君は違うとなぜ思ったのだろうな....」


そう言いながら男が手に持っている剣を振り上げた。


待て待て待て待て!!!


僕まだ何も言えてないけど!?


心の中で焦りに焦っているとシュッと音を立て剣が迫ってくる。


学校でいじめられていたとはいえ刃物を向けられた経験はない。


何も反応が出来なかった。

















...............消える時が来たと思えばいいか。









男から目線を外さずじっと見つめ剣が来るのを待つ。


だが、そんな僕を見て死のうとしている事に気がついたのか分からないが、なぜか首が切れる寸前で剣を止めた。


「...........(なんで)」


「表情一つ変えないとは........分からない。なぜかお前は.......」


そんな意味不明なこと言ったあと静かに剣を鞘へ戻した。


「...さてと、荒っぽいことをしてすまなかったね。で、もう一度聞くが君はどこから来たんだ?」


怒っていたと思ったら今度は優しく問いかけてくる。


この男の情緒はどうなっているんだ。


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