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衣食住の大切さ
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サラたちと別れて、新しく作った自分の部屋に入る。
天井や壁はコンクリートだろうか。
サイズは一人暮らしのアパート程度。寝転べば部屋の端から端まで届くくらいしかない。
中央にあるのは、せんべいのような布団とタオルのような掛け布団。
(あー、ひさしぶりの寝具……、幸せだな……)
正直、寝心地は悪い。
だが、安心して寝れる状況と言うだけで、天国だと思えた。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
いつの間にか寝ていたらしい。
個室を買って本当によかった。
大事なことなので、もう一度言おう。
俺は後悔はしていない。
だけど、睡眠をしっかりとって、冷静になった今では、やばいなー、どうにかしないとなー、と思わなくもない。
とりあえず、あいつらと合流しないとな、ってことで外に出た。
通路を右手に進めばすぐにダンジョンコアがある部屋があり、左に進めばすぐに階段あって、洞窟へと出ることが出来る。
入口から入って、1分もせずにコアの部屋。
ダンジョンコアが破壊されれば、すべてが崩壊するらしい。
うん、この状況はかなりやばいね。
カップラーメンを作るのと、俺達のダンジョン破壊するの、どっちが簡単かな……………。
ほんの少しだけ後悔しながら階段を上れば、笑顔のクロエが迎えてくれた。
「おはよー、お兄ちゃんが1番最後だよ。
朝ごはん出来てるから、お姉ちゃん達と一緒に顔あらって来て」
「了解。いつも悪いな」
早起きをして、朝飯を作ってくれたらしい。
ほんと、俺にはもったいないくらい出来た妹だ。
「あ、やっと来たわね。アリスよりも遅く起きるなんて、生意気なのよ」
「おはよう。その様子を見るに、十分な睡眠が取れたようだね。ここ最近のキミは辛そうにしてたからね、元気な姿を見れて、ボクとしても安心したよ」
俺同様、お姫様2人も十分な睡眠時間が確保できたようで、体調は良さそうだ。
そんな2人と一緒に、クロエが待つ洞窟へと戻る。
そこに、大量の肉が積み上げられていた。
「クロエ、このお肉はなんだ?」
「ん? なにって、朝ごはんだよ?
朝起きて登ってきたら狼が居たから倒したの。そしたら、一瞬にしてお肉と魔石になってくれたから、すっごい楽だったんだー。
そんなことより焼けたよー。あ、これ、ほかのより厚切りだ。たべちゃお、はむ」
いくら体調が良いとは言っても、朝から焼肉は中々ハードだな。
ってか、一瞬にしてお肉と魔石になったってなんだ?
「食べながらでいいから、もう少し詳しく説明してもらっていいか?」
「んゆー? いいほ-、モグモグ、……えっほねぇ、ふゅー、おいしー。もぐもぐ、うんと、はぐ、もぐもぐ、ほへでね――」
「あー、やっぱ、食べてからでいいや」
「ほぁーい」
クロエが元気に手をあげた。
朝から焼肉をお腹いっぱい食べたクロエ曰く、朝飯を作ろうと洞窟に上がってきたら、狼に出くわし、危なげなく倒したらしい。
早速解体しようとしたのだが、ダンジョンコアから、
「そこもダンジョンの範囲内っす。その狼をポイントとして全部回収していいっすか?」
そんな感じで聞かれたらしい。
食事を愛するクロエが、そんな横暴を許可するはずもない。
話し合いの結果、肉はすべて残す。魔玉は半分だけ、残りはいらない。
そうなったようだ。
「つまり、なんだ。クロエが狼を倒してくれたおかげで、ポイントが増えてるってことか?」
「うん。10ポイントになったよ?」
「10匹倒せばスライム1匹、部屋1つか……」
命のやりとり10回の対価としては少なく思うが、仕方がない。
戦闘でポイントを稼いで、ダンジョンの防御力を高める。
それ以外に生き残る道はないだろう。
「探索してみるか……」
洞窟の奥を眺めながら、そう言葉をつぶやいた。
そんな俺の言葉に、クロエの目が輝く。
「うん!! お腹いっぱい、お肉食べる!!」
俺の三倍は食べていたように思うが、まだまだ食べ足りないらしい。
「そうだね。このメンバーなら大丈夫だと断言するよ」
「当たり前よ。アリスがいるんだもの、ドラゴンが出て来たって倒してあげるわ!!」
2人にも異論はないようだ。
(アリスの土魔法があるし、クロエのナイフもある。まぁ、大丈夫だよな)
そう自分に言い聞かせて、洞窟の奥へと足を踏み出した。
天井や壁はコンクリートだろうか。
サイズは一人暮らしのアパート程度。寝転べば部屋の端から端まで届くくらいしかない。
中央にあるのは、せんべいのような布団とタオルのような掛け布団。
(あー、ひさしぶりの寝具……、幸せだな……)
正直、寝心地は悪い。
だが、安心して寝れる状況と言うだけで、天国だと思えた。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
いつの間にか寝ていたらしい。
個室を買って本当によかった。
大事なことなので、もう一度言おう。
俺は後悔はしていない。
だけど、睡眠をしっかりとって、冷静になった今では、やばいなー、どうにかしないとなー、と思わなくもない。
とりあえず、あいつらと合流しないとな、ってことで外に出た。
通路を右手に進めばすぐにダンジョンコアがある部屋があり、左に進めばすぐに階段あって、洞窟へと出ることが出来る。
入口から入って、1分もせずにコアの部屋。
ダンジョンコアが破壊されれば、すべてが崩壊するらしい。
うん、この状況はかなりやばいね。
カップラーメンを作るのと、俺達のダンジョン破壊するの、どっちが簡単かな……………。
ほんの少しだけ後悔しながら階段を上れば、笑顔のクロエが迎えてくれた。
「おはよー、お兄ちゃんが1番最後だよ。
朝ごはん出来てるから、お姉ちゃん達と一緒に顔あらって来て」
「了解。いつも悪いな」
早起きをして、朝飯を作ってくれたらしい。
ほんと、俺にはもったいないくらい出来た妹だ。
「あ、やっと来たわね。アリスよりも遅く起きるなんて、生意気なのよ」
「おはよう。その様子を見るに、十分な睡眠が取れたようだね。ここ最近のキミは辛そうにしてたからね、元気な姿を見れて、ボクとしても安心したよ」
俺同様、お姫様2人も十分な睡眠時間が確保できたようで、体調は良さそうだ。
そんな2人と一緒に、クロエが待つ洞窟へと戻る。
そこに、大量の肉が積み上げられていた。
「クロエ、このお肉はなんだ?」
「ん? なにって、朝ごはんだよ?
朝起きて登ってきたら狼が居たから倒したの。そしたら、一瞬にしてお肉と魔石になってくれたから、すっごい楽だったんだー。
そんなことより焼けたよー。あ、これ、ほかのより厚切りだ。たべちゃお、はむ」
いくら体調が良いとは言っても、朝から焼肉は中々ハードだな。
ってか、一瞬にしてお肉と魔石になったってなんだ?
「食べながらでいいから、もう少し詳しく説明してもらっていいか?」
「んゆー? いいほ-、モグモグ、……えっほねぇ、ふゅー、おいしー。もぐもぐ、うんと、はぐ、もぐもぐ、ほへでね――」
「あー、やっぱ、食べてからでいいや」
「ほぁーい」
クロエが元気に手をあげた。
朝から焼肉をお腹いっぱい食べたクロエ曰く、朝飯を作ろうと洞窟に上がってきたら、狼に出くわし、危なげなく倒したらしい。
早速解体しようとしたのだが、ダンジョンコアから、
「そこもダンジョンの範囲内っす。その狼をポイントとして全部回収していいっすか?」
そんな感じで聞かれたらしい。
食事を愛するクロエが、そんな横暴を許可するはずもない。
話し合いの結果、肉はすべて残す。魔玉は半分だけ、残りはいらない。
そうなったようだ。
「つまり、なんだ。クロエが狼を倒してくれたおかげで、ポイントが増えてるってことか?」
「うん。10ポイントになったよ?」
「10匹倒せばスライム1匹、部屋1つか……」
命のやりとり10回の対価としては少なく思うが、仕方がない。
戦闘でポイントを稼いで、ダンジョンの防御力を高める。
それ以外に生き残る道はないだろう。
「探索してみるか……」
洞窟の奥を眺めながら、そう言葉をつぶやいた。
そんな俺の言葉に、クロエの目が輝く。
「うん!! お腹いっぱい、お肉食べる!!」
俺の三倍は食べていたように思うが、まだまだ食べ足りないらしい。
「そうだね。このメンバーなら大丈夫だと断言するよ」
「当たり前よ。アリスがいるんだもの、ドラゴンが出て来たって倒してあげるわ!!」
2人にも異論はないようだ。
(アリスの土魔法があるし、クロエのナイフもある。まぁ、大丈夫だよな)
そう自分に言い聞かせて、洞窟の奥へと足を踏み出した。
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