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和久井に会う1
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翌朝は父親と克之が朝食を済ませて出払ってから、夏休み中の三人の大学生が食堂に顔を出した。今日は典子さんの付き合いで、余りスッキリしない裕介の朝食に、みんな付き合わされた。そこで千里さんと美紗和さんが、裕介のとろい食事を急かした。坂部も今日の高村は異常に神経が高ぶっていると見た。隣の典子さんはいつもなら食後の片付けに差し障ると早めに済ますのに、今日は高村に合わして箸の上げ下げまでスローテンポだ。まるで千里さんが此の家に嫁いでくる前のように。
典子さんが大学生になり、千里さんが来るまで祖父は、一切の家事を利忠の妻にやらせた。そして典子さんには、品行を保つようにゆっくりと食事をするようにされた。まさかその亡き祖父を偲んでいる訳ではないが、そう見えても不思議でなかった。高村が食事を終わるのに合わせて、典子さんも箸を置くと、すぐさま千里さんが食卓を片付けだした。それを申し訳なそうに振り返りながら高村の後に続いて食堂を出た。目的の場所までは美紗和さんの車で送ってもらう。
「典子さんと裕介なのに、何で三人も一緒に行くの?」
車が動き出すと美紗和さんに不思議そうに聞かれた。
「裕介は解るけど、何で翔樹さんも一緒なの」
これには高村が変な顔をして坂部を見た。坂部は、どや、と勝ち誇ったように見返した。運転席の美紗和さんは、チラッとルームミラーを見て、微笑んで直ぐに車を出した。
「これは、おじいちゃんが遺した遺訓にも関連してくるさかいや」
へ~え、と美紗和さんは何も解らないままそれ以上は聞かなかった。
無言のまま発進した車は、直ぐに国道に出て十分もしないうちに着いた。なんせ市内と謂える雰囲気は五キロ圏内で、あとは田圃の中に大きなスーパーや店が立ち並んでるだけだ。
典子さんが大学生になり、千里さんが来るまで祖父は、一切の家事を利忠の妻にやらせた。そして典子さんには、品行を保つようにゆっくりと食事をするようにされた。まさかその亡き祖父を偲んでいる訳ではないが、そう見えても不思議でなかった。高村が食事を終わるのに合わせて、典子さんも箸を置くと、すぐさま千里さんが食卓を片付けだした。それを申し訳なそうに振り返りながら高村の後に続いて食堂を出た。目的の場所までは美紗和さんの車で送ってもらう。
「典子さんと裕介なのに、何で三人も一緒に行くの?」
車が動き出すと美紗和さんに不思議そうに聞かれた。
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