Koruseit world online〜魔力特化した私は体力10しかありません。なので幻術使ってどうにかしたいと思います〜

ゆうらしあ

文字の大きさ
29 / 57
第2章.幻想

27.女の敵

しおりを挟む
(なんで下着?)
 ベリアルは言う。

(泥棒さんはお金がない? でもそれだとお金を取れば…)
 ソーマは中々考えている感じだ。ちょっと観点ずれてると思うけど。


 この泥棒は女の敵って事だね。
 許すまじ変態。



 そんな事を思ってると、


「きゃー!」
 女性の悲鳴が聞こえた。



 私はすぐに2人に指示を出した。
「ベリアル! ソーマ! 悲鳴の聞こえた方に急いで! 私は後から追う! 」

((分かった!))
 2人は急いで向かう。
 ソーマに関しては敏捷が50もある! 『炎に認めらし子』でも中々逃げきれないでしょ!!


 私はそう思っていた。





((ごめんなさい。))


「いいのいいの。気にしないで。」
 私は2人を撫でる。
 まさか捕まえられないとはね…。私は盗まれた人から事情を聞く。


「どう言う場所で、どのような人が、何を、どういう風に盗んで行ったか聞いても良いですか?」
 私がそう言うと女の方は怯えながらも言う。


「は、はい。まず私は外に洗濯物を干していました。そこに男性の様な体格をした方が私のパンツを…。どういう風かは分かりません。」


「どういう風かは分からない?」
 私は首を傾げる。


「はい。目を一瞬離したら無くなっていて…遠くに男の様な人の後ろ姿しか見えなくて。思わず悲鳴を…。」


 ふむ。そうかー。ん?でもそうだとしたらおかしくないかな?
 私がそんな事を思っていると、


「私のブラー!!」
 近くでまた下着泥棒が出たらしい。


「今度こそ!!」
 私はもう1度ベリアル達に指示を出した。


 2人は音の聞こえた現場に直行する。
 私の魔力特化は、こういう時役に立てない。私がやっとの思いで着いた先では、ベリアルとソーマが路地で背は170センチぐらい、髪の色は金髪で目は柔らかな青色のキザな男と、あどけなさが残る黒い子ライオンを挟み撃ちしている所だった。


「貴方達が下着泥棒ですね!!」
 私がその男に人差し指をビシッと刺す!


「違う!!」
 その声は現実の世界のホストの人の様で、甘いとろける様な声で私の発言を否定する。


「じゃあなんですか! その手に持っているものは!?」
 と言うと男は焦った様にそれを背中に隠す。


「い、いやこれはひ、拾ったんだ…。」
 男は吃りながら、小さな声で言う。子ライオンを見るとどこか困った風に首を横に振り、男を見ている。


「ならなんで逃げたんですか!! 観念してください! 」
 私は【影魔術】を使い、2人を捉えようと動く。それに合わせてベリアルも接近、ソーマは【誘引】を発動させた。男達はソーマから目を離せなくなってしまった。


「うぉっ!? 目が離せない!?」

「アァオ!?」

 目が離せなくなった所で私が影で2人の身体を縛る。地面に転がした2人の上にベリアルの力を生かす。ベリアルは逃がさない様に押さえつけている。うー。と唸りあってるベリアルと子ライオンが可愛いです。


 私は泥棒から事情を聞いた。
「何で下着泥棒なんかしたんですか?」


「それは…俺の職業が“泥棒"だからだ。」
 男は言う。


「泥棒? 盗賊とは違うんですか?」
 私が言うと男は


「まぁな。色々あるんだよ。」
 男は開き直ったのか、テキトーに答える。


「テキトーな事言ってるとこのまま倒しちゃいますよ。」
 私は縛る強さを強くする。


「イテテテテッ! い、良いのかよ! このままやったら衛兵が来て、アンタは捕まっちまうぜ!」
 男が偉そうに私に言ってくる。


「…それは不味いかもですね。じゃあさっさとジョンさんの所に連れて行きますか。」
 私は影で縛った2人を引きずる。


「ま、待ってくれ! 言う! 言うから!連れてかないでくれ! 」
 男は焦った様に言う。何故焦るのか分からないが言ってくれるようなので、私は少し待ってみる。


「…泥棒と盗賊の違いは盗みの技術の差だ。泥棒は盗賊よりも盗みが上手い。盗みをする事によって、盗賊が盗むよりも多くの経験値が貰える。逆に戦闘はからっきしだけどな。」


「へー。なるほど。」


「…中々の初心者だな。」
 と呆れた表情を浮かべている。ハッキリ言って簀巻き状態の人にこんな表情を浮かべられたくない。私はベリアルに頭を殴る様に指示する。


「ッ~! イッテェな!!」
 男は涙目になりながらも、私に反論してくる。


「自分の今の状況をちゃんと把握してからそんな顔をして下さい。」
 私がそんな事を言うと、


「はぁ? それはこっちのセリフなんだよ!!」
 男がそう言うと、縛っている2人から黒い光が差す。


 しまった! 何かスキルを使われた! 縛られている状態なのにまだ諦めてなかったの!?

 黒い光が晴れる。


「…。」


 男と子ライオンは影に縛られたままだった。


「な!? どう言う事だフォル!?」
 男が、子ライオンの方を見て言う。

「アァオッ!?」
 子ライオンも戸惑っている様だ。


「今の…何をしようとしたの?」
 私が聞くと男は、


「か、簡単に言う訳ねぇだろ…。」
 と少し身体を震わせながら言う。あ、そうか。これが『反逆者』の効果か。微小ながら畏怖の効果があるっていう、例の。そういえば受付嬢の人もビビってたね。
 なら…


「言いなさい。」
 と私は足を男の目の前の地面に叩きつける。


「ヒッ!」
 男は悲鳴の様なを上げる。表情もさっきの様な威勢の良さはない。


「で? さっきのは何?」
 私が聞くと、


「さ、さっきのはコイツのスキルで、アンタのその本を盗もうとしたんだ。」
 男が怯えながら答える。子ライオンも怯えた様子で私を見る。


「どういうスキル?」
 先程よりも少し語気を強めてみる。


「【盗みの極意】というスキルで、1日3回100%の確率で相手に接触しなくても物を奪えるって言うスキル…です。」
 男は敬語になる。


 中々やばいスキルだ…。接触しなくても物を奪えるって…。人混みで使ったらバレないんじゃないの? 何より1日3回100%で物を奪えるって…危機的な状況でもひっくり返せる。
 偶々私の武器が『混迷の幻惑書』で譲渡不可だったから良かったものの…。まぁ、【影魔術】はこの本を奪っただけじゃ解けないと思うけどね。


「すみませんでした!! 今回は見逃してください!!」
「アァオ!!」
 男達は簀巻きの状態でおでこを地面につけて私に謝る。


 …。


「あのさー、改めて聞くんだけどさー、」


「はい!」
 男は元気に返事を返す。


「なんで女性の下着を盗んだの?」


「え…。」
 男は青褪め、身体中から汗が吹き出している。


「経験値が欲しかったなら、盗む物は何でも良かったでしょ?」
 私が男に聞くと、男は附く。そして次の瞬間顔を上げると、そこには何故か覚悟を決めた様な表情を浮かべる男がいた。そして男は言った。



「男は女性の下着が好きなんです!!」




 うん。








「ギルティ。」
 私は男に冷たくそう言い渡し、ジョンさんの所へ即座に連れて行った。






「じゃあ、また何かあったら教えてください!」


「おう! ありがとうな!!」


 シクシクシク

 男は縄で縛られて、泣きながら連れていかれる。



「あー、良い事をしたね。」


(良い事した!!)
(犯人を捕まえましたよ!)
 ベリアルは私の真似、ソーマはとても興奮している様だった。本に書かれていた人も、犯人を捕まえたんだろうか?いやー、お2人が楽しそうで何よりです。


 私は街を歩いている途中で気づく。
 そういえば…今回アイテムとか何も貰わなかったな。この前は「評判の指輪」を貰ったのに…。同じ人からはアイテム貰えないのかなぁ?私がそんな事を思っていると


(スプリング!あれ!)
 ベリアルが突然声を上げる。そこには



「あー、焼き鳥食べたいの?」
 屋台通りにある焼き鳥屋があった。


(スプリングと最初に食べた!)
 とベリアルが言うと

(そうなんですか!? じゃあ僕も食べたいです!)
 ソーマも食べたがる。


 …私とベリアルが食べたのに自分だけ食べてないから、羨ましかったのかな?ソーマかわゆい。


 そんな事を思っていると、


「こ、こいつらは…!」
 と後ろから、何処かで聞いた様な男の声が聞こえた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

追放された俺、悪魔に魂を売って全属性魔法に覚醒。悪魔契約者と蔑まれるが、まぁ事実だ。勇者? ああ、俺を見下してたやつな

自ら
ファンタジー
灰原カイトのスキルは【魔力親和】。評価F。 「外れスキル」の烙印を押された彼は、勇者パーティで三年間、荷物を運び、素材を剥ぎ、誰よりも早く野営の火を起こし続けた。 そして、捨てられた。 「お前がいると、俺の剣が重くなる」 勇者が口にした追放の理由は、侮蔑ではなかった。恐怖だった。 行き場を失ったカイトの前に、一人の悪魔が現れる。 「あなたの魂の、死後の行き先をちょうだい。代わりに、眠っている力を起こしてあげる」 病弱な妹の薬代が尽きるまで、あと十日。 カイトは迷わなかった。 目覚めたのは、全属性魔法――歴史上、伝説にしか存在しない力。 だがその代償は、使うたびに広がる魔印と、二度と消えない「悪魔契約者」の烙印。 世界中から蔑まれる。教会に追われる。かつての仲間には化け物と呼ばれる。 ――まぁ、その通りだ。悪魔に魂を売ったのは事実だし。 それでも。没落貴族の剣姫と背中を預け合い、追放された聖女と聖魔の同時詠唱を編み出し、契約した悪魔自身と夜空の下で笑い合う日々は、悪くない。 これは、世界の「調律者」だった男が、その座を追われてなお、自分の手で居場所を作り直す物語。

処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う

yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。 これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

処理中です...