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第3章(1)紫夕side
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***
「……、……っ。
……朝、か?……」
夢から目覚めて薄っすら目を開けると、同時に右腕に重みを感じて、俺は思わず視線を向けた。
すぐ隣に居たのは、俺の1番大切な存在。雪が静かな寝息を立てていた。
やべっ……可愛いな。
思わず笑みが溢れる。
どうやら今日は珍しく自分が先に目覚めたようだ。早起きの雪は、いつも俺よりも先に起きて風呂に入り朝食を作ってくれる。
けど、昨日の出来事でさすがに疲れていたのか、まだぐっすりだ。
「護って、やりたい……か」
俺は昔、親父が言っていた言葉を思い出す。
再婚したいと言っていた親父が相手の女性を「護ってやりたい」と言っていた。
その時の気持ちが、今の俺にはよく分かる。
俺も、雪を護りたいーー。
昨夜はあの後。シャワーでずぶ濡れになった流れでそのまま一緒に風呂に入った。
でも、俺は必要以上に雪に触れなかった。髪と身体を洗ってやり、身体を拭いて、髪を拭いて乾かしてやって……。寝巻きを着せてやって、腕枕してやって、一緒のベッドで眠った。
「彼女とはそんなんじゃない。
……そんなんじゃ、ないんだよ」
……そう言っていた親父の言葉も、分かる。
身体を重ねなくても、雪が傍に居てくれるだけで、俺は幸せだった。
俺は雪をギュッと抱き寄せると、一緒に居られる幸せを噛み締めていた。
……
…………。
そして俺は、しっかりとケジメを着ける事にした。
この、目の前にある幸せを護る為にーー……。
「……、……っ。
……朝、か?……」
夢から目覚めて薄っすら目を開けると、同時に右腕に重みを感じて、俺は思わず視線を向けた。
すぐ隣に居たのは、俺の1番大切な存在。雪が静かな寝息を立てていた。
やべっ……可愛いな。
思わず笑みが溢れる。
どうやら今日は珍しく自分が先に目覚めたようだ。早起きの雪は、いつも俺よりも先に起きて風呂に入り朝食を作ってくれる。
けど、昨日の出来事でさすがに疲れていたのか、まだぐっすりだ。
「護って、やりたい……か」
俺は昔、親父が言っていた言葉を思い出す。
再婚したいと言っていた親父が相手の女性を「護ってやりたい」と言っていた。
その時の気持ちが、今の俺にはよく分かる。
俺も、雪を護りたいーー。
昨夜はあの後。シャワーでずぶ濡れになった流れでそのまま一緒に風呂に入った。
でも、俺は必要以上に雪に触れなかった。髪と身体を洗ってやり、身体を拭いて、髪を拭いて乾かしてやって……。寝巻きを着せてやって、腕枕してやって、一緒のベッドで眠った。
「彼女とはそんなんじゃない。
……そんなんじゃ、ないんだよ」
……そう言っていた親父の言葉も、分かる。
身体を重ねなくても、雪が傍に居てくれるだけで、俺は幸せだった。
俺は雪をギュッと抱き寄せると、一緒に居られる幸せを噛み締めていた。
……
…………。
そして俺は、しっかりとケジメを着ける事にした。
この、目の前にある幸せを護る為にーー……。
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