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第2章 (2)バロンとヴァロンとバロン
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しおりを挟む「!……えっ?!」
まさか……!
耳を疑った私がバッと背後を振り向くと、そこに居るのは……。
「ーーヴァロンにはなれませんが、バロンにはなって差し上げますよ?」
首を少し傾けて、ペロッと舌をだして微笑むバロン。
彼の鳴き、まね?
驚いた。
そっくり過ぎて、本当に猫バロンが還ってきたみたいに思った。
「……もう!からかわないでよ!」
バロンの無邪気な姿を見て、寂しくなっていた気持ちが晴れた私は微笑った。
彼の存在が、また新たな光をくれる。
……そうだね。
ヴァロンも猫バロンも、今はいない。
でも、今の私には貴方がいる。
バロンがいるから、私は笑顔になれるんだ。
バロン、ありがとう。
そんな感謝の気持ちを心の中で呟いていると、両手を後ろに組んだ彼が、ニッコリと微笑みながらこちらに近付いてきた。
えっ……?
その様子にドキンッと胸を弾ませる私。
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※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
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