夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

☆リサーナ☆

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第2章 (2)バロンとヴァロンとバロン

2-10

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……しかし。

バロンが背後に隠していた”物”を、バンッ!と机の上に置かれた瞬間。
和んでいた空気は一変する。


「はいっ!では休憩はここまで。
後半の勉強に参りましょう、お嬢様!」

彼が満面の笑みで、机に置いたのは……。

ーー分厚い問題集。


「っ……バロンの意地悪ッ」

上がっていた気持ちを一気に落とされる。
これがバロンのスパルタ教育。


でも。
バロンに構ってもらえるのが嬉しくて、私は何だかんだ頑張ってしまうのだった。


ヴァロンと一緒に居た時。
猫バロンと一緒に居た時。

そしてバロンと居る今、同じように暖かくなる。


私を独りにしない。
私を寂しい気持ちにさせない。

私が今笑顔で居られるのは、間違いなく貴方のおかげだよ、バロン。
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