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第3章 (3)夏がきて……。
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しおりを挟む「っ……寂しい」
抑えられない、堪らない気持ち。
ポツリと呟いて、私は髪を拭いてくれてる彼の腕をギュッと握った。
「他の人にっ……。
こんな事しちゃ、嫌だよっ」
バロンがモニカ様と二人きりの時、どうしているのか気になる。
知りたいような、知りたくないような気持ちで、モヤモヤする。
私だけを、見てーー。
涙目で見上げる先にいるのは、驚いたように目を見開いているバロン。
その表情を見て、私は自分がすごく恥ずかしい事を言った事にハッと気付く。
「っ……ご、ごめっ。
私、何言って……ッ」
真っ赤な顔を隠すようにバロンの手からタオルを奪うと、慌ててそれで顔を押さえた。
バクバクとうるさく鳴り響く心臓。
咄嗟に自分の口から出てしまった言葉。
あんな事を言って、これではまるでやきもち妬いてるみたい。
自分が、バロンを好きみたいだ。
ーー好き?
私の頭に浮かんだ、信じられない二文字。
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