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第4章 (3)バロンVS夢の配達人
3-4
しおりを挟むっ……バロン。
も、う……やめてッ……。
彼の瞳に宿る激しい”怒り”の感情に、この先に予想出来る展開を察して、私の中に浮かび上がる疑問。
いつも何事も冷静に対処してきたバロン。
普段の彼なら倒れた相手を縛り付けて、「はい、終わり!」って、微笑っているだろう。
でも、今の彼はーー。
……なんで?
何をそんなに、怒っているの?
心の中でそう問い掛けた答えは、静寂に包まれるこの場所では何にも遮られる事もなく、私に返ってきた。
「任務失敗。
どうせ明日は良い日にならない。
……だったら」
バロンがリーダーの喉元を、自分の足で軽く踏みながら紡ぐ台詞。
「……今日が最期でいいかな?
俺があんたを男のまま、終わらせてやるよ」
その台詞に、胸につかえていたものが、ストンッと落ちた。
それは……。
まるで私を襲おうとした瞬間に、リーダーが言った口調を真似ていて……。
バロンが怒ってる理由を、ハッキリ私に教えてくれた。
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