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第4章 (3)バロンVS夢の配達人
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…………。
ーーでも、彼の唇は私に触れなくて。
「……ぷっ、あはははッ!」
代わりに私の耳に届く、笑い声。
「!っ……」
その笑い声にパッ目を開けると。
私の瞳に映るのは、お腹を押さえて笑うバロン。
私をからかって笑う、いつものバロンの笑顔が目の前にあった。
「アカリ、真っ赤っ!
あ~茹でダコ食べたくなってきた~」
「ゆ、茹でダコって!
も~!バロンひどいっ!」
意地悪な彼の対応に、一瞬カッとなって頬を膨らまして拗ねる。
私のドキドキを返せ~!って、思った。
それでも。
バロンの笑顔を見ていたら、私は心の底から良かったって安堵した。
いつもみたいな彼とのやり取りに、やっと胸を撫で下して笑顔になれた。
「……。
ありがとね、アカリ」
そんな私を見てそう言ったバロンが、こちらに向かってスッと手を差し出てくれる。
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