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第5章 (3)バロンの観察日記
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しおりを挟む!!……あッ。
ハッとした時にはすでに、身体がフワッと後ろに持っていかれそうな感覚。
落ちるっ……!!
突然の出来事にゾッとする恐怖を感じる間もない程で……。
咄嗟に私は、ギュッと目を閉じた。
ーーけど。
そんな私を、力強い力が引き戻してくれる。
左腕を掴まれた感覚に目を開くと、そこには今まで見た事もない、血相を変えたバロン。
グイッと上に引き上げて、彼はもう一方の手を私の腰に回すと、優しく包み込んでくれて……。
自分がクッションになって、護ってくれるように屋根に尻餅を着いた。
抱き締められた状態から伝わってくる、バロンの乱れた呼吸に早い鼓動。
鎮まるのを待ち切れないとばかりに彼が叫ぶ。
「っ……馬鹿野郎ッ!
あんたッ……何やってんだよッ!!」
初めて、バロンが私に怒鳴った。
私に対して、今まで絶対に言わなかった。
言われた事がなかった口調。
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