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第5章 (4)バロンの観察日記
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しおりを挟む私を、怖がらせないように……?
私に嫌われる事を、嫌だと思ってくれたの?
彼にとって、自分はほんの少しでも意識してもらえる存在なのだと分かったら、きゅ~んっと胸が暖かくなる。
「っ……バロンの事が怖いなんて、思う訳ないじゃないっ」
こんなに大切で、愛おしい人は他にいない。
私は手を伸ばして、そっとバロンの頭に触れた。
夕陽を浴びて、透き通る白金色の髪を輝かせながら彼が微笑う。
「……よかった。
アカリに嫌われたのかと思って、焦った」
「っ……嫌いになんて、ならないよ」
ーー好き。大好き。
私は、バロンの事が……好きだよ。
瞳が交われば、今にもこの胸いっぱいの想いが飛び出してしまいそうだ。
「……じゃあさ。
明日から、また僕を召使いにしてくれる?
アカリの傍に、置いてくれる?」
「……はい。
よろしく、お願いします」
言葉に出来ない想いも、ある。
でも、素直で在りたい。
手を握って見つめる彼に、私は言えない言葉の代わりに笑顔で頷いた。
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