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第6章 (2)父を求めて-前半-
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しおりを挟む「……さっ。
ちょっと窮屈でしょうが、どうぞ」
バロンは宿部屋のベッドを手際よく整えてくれて、いつもと変わらず私の世話を焼いてくれる。
でも、服装は白いシャツに黒いズボン。
髪型もいつも上げている前髪を下ろしていて、普段の召使い姿よりだいぶラフな感じだから、なんだか初めて会った時みたいで新鮮だ。
「平気!
むしろ、これくらいの広さの方が落ち着くわ~」
いつもの自室は豪華過ぎるし広過ぎる。
元一般庶民の私には、すぐに歩き渡れるこの部屋の広さも、ジャンプすれば届きそうな天井の高さも、寝返りが一回しか打てないベッドの大きさもピッタリだった。
”お嬢様”から解放されたこの空間に表情を緩ませていると、バロンも「だね!」と微笑ってくれた。
「さて、明日は早いから少しでも休みな。
慣れない船旅はきっと疲れるし、眠れる時に眠っておいた方がいいよ」
「うんっ!そうしようかな~」
上機嫌の私は、バフンッとベッドに横になってバロンを見つめる。
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