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第8章 (3)たくさんのありがとう
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しおりを挟む数日前、私はモニカに言った。
「もう、私とバロンの事には触れないで」って。
彼女は心配してくれて、なんとか私がバロンとの時間をつくれるように……。
話せるように、キッカケをつくろうとしてくれた。
モニカの気持ちは、すごく嬉しかった。
でも、辛くて……。
私は彼女の厚意を拒んだ。
それなのに、私は自分から……。
自分から彼の名前を出してしまうなんて。
どんな顔をしていいのか分からなくて、モニカの方を見れない私。
しかし。
自己嫌悪に陥る私を気遣ってくれるように、モニカは明るく声を弾ませて言った。
「まあ、大丈夫ですわね!
私もお腹空きましたもの。今日はたくさん食べますわよ~!」
「!……モニカ」
「さあ、アカリ!
本日のメインのケーキを仕上げましょう!
みんなをビックリさせなきゃね!」
「……。うんっ!」
年上でありながら不甲斐ない私の手を、モニカはしっかり握って引っ張ってくれる。
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