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第9章 (1)最後の想い出
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「アカリ様は、それ、誰かにあげるんですか?」
「え?」
お菓子作りもいよいよ仕上げの段階。
焼き上がりのいい匂いが漂う中で、私が作っていたお菓子を使用人達が見つめる。
実演した方がみんなが分かりやすいかな。
と思って焼いた、ハート型のチョコレートケーキ。
「……あ。
警備のみんなに差し入れしよう、かな?」
使用人の質問にバロンの顔が浮かんだけど……。
彼だけにあげる訳にもいかないし、きっとそんな事をしたらバロンを困らせてしまうだけだと思った。
ーーうん。
みんなに差し入れしよう!
心の中で頷いて、私は人数分に切ろうとナイフに手を伸ばした。
でも、その瞬間に「ダメです!!」と厨房内に響く声。
「えっ?」と目をパチクリさせていると、集まっていた使用人達が私の作ったチョコレートケーキを守るように遠ざける。
「切っちゃダメです!」
「警備達への差し入れは、我々が作った物で十分です!」
「え?……えぇっ??」
必死に力説するみんなに、私は茫然。
「アカリ様は、それ、誰かにあげるんですか?」
「え?」
お菓子作りもいよいよ仕上げの段階。
焼き上がりのいい匂いが漂う中で、私が作っていたお菓子を使用人達が見つめる。
実演した方がみんなが分かりやすいかな。
と思って焼いた、ハート型のチョコレートケーキ。
「……あ。
警備のみんなに差し入れしよう、かな?」
使用人の質問にバロンの顔が浮かんだけど……。
彼だけにあげる訳にもいかないし、きっとそんな事をしたらバロンを困らせてしまうだけだと思った。
ーーうん。
みんなに差し入れしよう!
心の中で頷いて、私は人数分に切ろうとナイフに手を伸ばした。
でも、その瞬間に「ダメです!!」と厨房内に響く声。
「えっ?」と目をパチクリさせていると、集まっていた使用人達が私の作ったチョコレートケーキを守るように遠ざける。
「切っちゃダメです!」
「警備達への差し入れは、我々が作った物で十分です!」
「え?……えぇっ??」
必死に力説するみんなに、私は茫然。
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