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最終章 (1)夢の言葉は魔法の呪文
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しおりを挟む「ありがとう!」
声を弾ませてお礼を言うと、私はグラスを受け取り喉を潤した。
空になったグラスを銀盆に戻す際に、もう一度バロンが書いてくれた絵と文字を見る。
『大丈夫!
アカリなら、大丈夫!』
何度も聞いた彼の声が、私の心の中に木霊する。
ーーうんっ。
ありがとう、もう大丈夫。
周りなんて気にしない。
私は、自分の力を出し切るだけ。
誰よりも素晴らしい見本の貴方を、ずっと傍で見て学んできた。
毅然と、微笑ってみせよう。
目の前の与えられた事を、熟すだけ。
”見られてる”んじゃない。
”見せてやる”の!
これは、辛い勉強の時間じゃない。
バロンと過ごした楽しい時間の全てだから。
「お待たせしました!
どうぞ、よろしくお願いします!」
アルバート様と先生達の前に立って深く頭を下げると、最終試験が始まった。
テスト中。
アルバート様や先生方は、私の成果に余計な事は何一つ言わなかった。
熱中し過ぎて、あっという間に全てのテストが終わっていた。
……
…………。
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