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最終章 (2)夢の言葉は魔法の呪文

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同時に浮かぶのは、いつも共に居てくれた彼の事。


バロン。
私、頑張れたよね?

喜びを分かち合いたい。
彼には誰よりも、喜んでもらいたい。

たった一言でも、一目でも、最後にもう一度会いたい。

試験が終わったら、もうバロンとは会ってはいけないとローザに固く言われたけれど……。
最後のワガママだと思い、私がバロンの姿を捜そうとした時だ。



「……そして、もう一人!
今日まで孫娘を支えてくれた者に、礼を言わねばならぬな」


ーーえっ?もう、一人?

アルバート様の言葉に、大広間の空気が一変する。
私も、周りの使用人達も不思議そうな表情を浮かべて、ザワつき始めた。


そんな最中。
コンコンッ!!と、響いたノック音。

みんなが一斉に注目すると……。


「失礼致します。
アルバート様、遅くなりまして申し訳ありません」

扉を潜って大広間に入って来たのは、一人の男性。
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