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第12章(2)ギャランside
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しおりを挟む診療所で過ごすようになって、二週間が過ぎた。
ユメは、あの日……。ワシが怒鳴り付けた日以来、姿を見せなくなった。
清々するーー。
そう思いながらも、医師や看護師以外誰も訪れて来ないこの病室はあまりにも静かだと感じていた。
天邪鬼で、素直ではない自分。
そんなある日。
ワシの病室に、ある人物が訪ねてきたーー。
「!!……親分親分?!」
それは、当時ワシが所属していた何でも屋を束ねる親分のまさかの訪問。
各地を任務によって転々とするワシ等に決まった拠点はなく、一箇所に長く身を置く事はないから手紙すら出せない。ましてや身動きが思うようにとれないワシは、自分から戻る事が出来ない。
そんなワシがここにいる事を親分は探り当て、会いに来てくれたのだ。
迷惑をかけたのに、と感無量じゃった。
やはり、親分の元はワシの家族同然ーー。そう思った。
謝るワシに、親分は『待っているから、早く戻って来い』と言ってくれた。
約二ヶ月程の入院生活という期間の中で、たった一度きりの束の間の見舞いじゃったが、その言葉はワシの何よりも支えになり、希望となった。
待っていてくれる人がいる。
現金な奴かも知れんが、そう思えるだけで頑張ろうと思えた。
そして気持ちに余裕が出来た事で、何事にも優しく、些細な事すら楽しい、嬉しいと受け入れられるようになるのだった。
親分の見舞いから一週間過ぎた頃ーー。約二週間ぶりに、ユメがワシの病室を訪れてきた。
しかし、この日のユメはいつもと違った。
これまではワシの名を呼びながらバタバタと廊下を駆けて来て、病室に入ってくる前にその存在を確信する事が出来たのに……。
この日、静かに病室に足を踏み入れて来たユメを見た瞬間。ワシは生まれて初めての感情に落ち着かなかった。
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