夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

☆リサーナ☆

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第12章(4)ギャランside

4-3

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「悪りぃ悪りぃ!真剣に何書いてんだよ?」

ワシのイタズラじみた行動にも、ノイは一切怒りを抱かず穏やかな表情。ペンを受け取り、ノートを見せてくれた。

日記ーー?
どれどれ、と見た時は一瞬そう思ったが、読み進めていくと……それは物語。小説だった。

「僕、小説家になりたいんです!」

ノイが、声を弾ませて言った。
その突拍子も無い言葉にノートから顔を上げると、透き通った、真っ直ぐな眼差しのノイと目が合う。
そしたら、不思議じゃ……。

小説家になりたいーー。
その言葉を聞いた時に、確かに「はぁ?」と僅かながら頭に浮かんだ呆れた感情が、失くなった。

濁りのない、美しい灰色の水晶のような瞳には、汚れも嘘も感じなくて……。
ノイの笑顔につられて、ワシも笑って、「そっか」って言っていた。

彼を見たら、馬鹿にする気持ちも否定する気持ちも起こらない。
ただ、ひたすらに真っ直ぐで、眩しくて、美しい……。
本当に、不思議な少年。

しかし、ワシがノイに脅かされるのはこれだけじゃない。


「んじゃ、あれか?若いのに頑張って仕事してんのは、自費出版でもするから、とか?」

「あ、いえ。それは、出産費用を稼ぐ為です」

「……。はい?」

「あと一ヶ月位で産まれるんで、色々と準備にお金がかかるんです」

これにはさすがに耳を疑った。
笑顔で話すノイに、ワシは真顔で質問を続ける。

「出産、って……ガキが産まれんのか?」

「はいっ!」

「……誰の?」

「僕のです!」

「……お前の母ちゃんがじゃなくて?」

「違います!僕の奥さんが僕の子供を産んでくれるんです!僕、お父さんになるんです!」

タラタラと汗が出てくる。自分よりはるかに年下に見えるこの少年は、もしかしたらそこそこ年齢がいっているのか?と頭を過る。

「……お前、いくつよ?」

「この間、16になりました!」

あ、そうか。そうだよな、良かった。

ノイの返答に、年齢の予想は合っていた事にホッと一安心。

ーーの!筈がない!!
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