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第14章(1)アカリside
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しおりを挟む「お見合い当日。『貴女と結婚する気はない』と告げると……」
『貴方は私の事を何も知らないでしょう?
知りもしないうちから、そんな悲しい事言わないで下さい』
『今日をきっかけに、互いを知ってから答えを出すのも……遅くはないと思います。
この世界にいるたくさんの人の中から、私達は出逢えたんです。その、限られた出逢いの奇跡を大切にしましょう?』
お祖母様はそう言って、微笑んで返したそうだ。
「……それがきっかけで、その姿に一目惚れ。結局、それからひと月も経たないうちに結婚を決めたよ」
アハハ、と照れ臭そうに笑うお祖父様の姿に、私も思わずクスッと笑顔になった。
すると、立ち上がったお祖父様が私の頰にそっと触れて見つめてくる。
「……お前は本当に、妻に似ている。だから私は、お前にもいつも微笑っていてほしい」
愛おしい。大切。
その手からも、瞳からも、声からも、そんな感情が伝わってくる。
「私の願いは、たった一つだ。
ヴァロン君と一緒に、幸せそうに微笑むお前を、もう一度見せておくれ」
私の身勝手なワガママを、自分の願いでもあるのだと言ってくれた。
嬉しくて、幸せで……。
でも、申し訳なくて……。
我慢が出来なくなった私は子供に戻ったように、泣きじゃくった。
「心配せんでも、私はまだまだくたばったりせんよ。……大丈夫。大丈夫だ」
大丈夫、大丈夫……。
私にだけではなく自分に言い聞かせているかのような、その祈りにも似た言葉が静かな秋の夜に消えて行く。
神様。
私と彼がこの世界で出逢って、恋に落ちた事は間違いではありませんか?
何度何度すれ違っても、私と彼が再び同じ道を歩める未来は……きますか?
分からないこれからが"未来"というけれど、私は今、たまらなく未来が知りたいです。
彼と別れてから流した涙が、いつか大地を潤して輝く日が来るのでしょうか?
私の心の問いかけの答えを、夜空に浮かぶ満月がだけが知っているかのように、白金色に輝いて見降ろしていた。
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