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第14章(3)マオside
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しおりを挟む「久々に、ここのシェフの食事を食べたいと思っただけですよ。
……兄上も、夕食まだなのでしょう?」
"一緒に食べましょう"ーー。
僕のクセと同じのアランの照れた仕草が、不器用な言葉の本当の意味を、教えてくれていた。
嬉しいーー。
胸が暖かくなって、僕の表情も心も自然と緩む。
「……あ、うん!
ま、待ってて?すぐに片付けるから」
弟の思いがけない夕飯の誘いに、はやる気持ちを抑えながらさっきまで机の上に広げていたものを片し始める。
すると、それを見ていたアランが一枚の資料を僕の机から手に取った。
「……兄上、新しいカフェの企画案を考えていたのですか?」
「え?っ……あ!あ、ぁ……それはっ」
アランが見ているのは、拙い言葉で綴った企画案の一部。社長であるアランには最終的にはどうせ見られてしまうのだが、今は何だか恥ずかしくて僕は慌てて取り返すとサッと鞄の中に隠した。
「ぼ、僕の考えた企画なんて無理だと思ったん……だけど、っ……そのっ」
内緒でこっそりと提出しようと思っていたのに、事前にバレてしまって動揺を隠せない。
無謀な挑戦だと、言われる事も覚悟した。
祖父のシャルマならば、間違いなくそう言うであろう。「お前には無理だ」と……。
だから、その祖父と肩を並べて働いているアランもそう言うと……思った。
「……ならば、ライバルですね」
「!……え?」
でも。さっきと変わらない優しい声が聞こえて、僕は振り返った。
「実はこの企画案は、シャルマ様の命令で私も提出しなくてはいけないんですよ」
「……」
「選ばれるといいですね。私か、兄上の企画案が」
「アラン……」
アランは僕の事を否定せずに、そう言ってくれた。
じんわりと暖かい気持ちが込み上げてきて、否定されるとばかり思っていた自分が情けなくなった。
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