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第14章(3)マオside
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しおりを挟むもう、アラン抜きで会ったりしない。
これからは弟の家族として……。身内として、大切にしたいと思うから……。
どうか、ずっと笑っていてーー?
心の中で、そう願った。
その時……。
「ーー兄上」
「!ッわ……!」
妄想の世界から現実へ。
肩に手をポンッと置かれてビクッとオーバーリアクションで振り返ると、背後に居たのは少し首を傾げて僕を見降ろすアラン。
「驚かせてすみません。ノックしたのですが、返事がなかったもので……」
「あ、ううん!ごめん、ちょっと……考え事してて」
そう言葉を交わしながら、内心ビクビクしていた。
アランと目を合わせていると、さっきまで自分がアカリさん達の事を考えていた事がバレてしまいそうで……。バレてはいけない気がして、隠そうと必死だった。
「ア、アランがシャルマ邸に来るなんて珍しいね!どうしたの?」
平常心を装って何とか会話をする。
アランは自分が持つ邸宅か別荘に住んでいるから、普段は全く別々の生活。この屋敷に顔を見せる事は珍しく、祖父が不在の今日訪れてくるなんて全くの予想外だった。
自分が気付かないうちに何か失敗をしてしまったとか、知らず知らずのうちに迷惑をかけてしまったとか……。悪い事しか思い浮かばない。
そんな、緊張感高まる僕にアランが言った。
「部下達に聞きました。最近、以前より積極的に仕事に取り組んでいるそうですね」
「えっ?……あ、うん」
そう言われてますますドキッとする。
やっぱり、何かミスをしたのかと不安な気持ちが押し寄せてくる。
けど……。
「いい傾向だと思います。
以前より、表情も良くなったんじゃないですか?」
「……え?」
それは、予想もしていなかった優しい言葉と声。
「そうやって出来る事からでいい。兄上は元々は出来る人間だったのですから、貴方が前を向けばきっとすぐに何でも出来るようになる」
「……」
優しい声に誘われてアランの顔をしっかり見ると、そこには声に負けないくらい優しい表情があった。
「……もしかして。それを僕に言う為に、わざわざ来てくれたの?」
アランが僕にそんな事を言う為だけに、会いに来てくれた?
半信半疑に問いかけると、アランはハッとして僕から顔を逸らして自分の右手を口元に当てる。
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