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第14章(6)アカリside
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しおりを挟む「あ、そうだ~!
おにいちゃん、ありがとー!」
「どういたしまして。
……どうだ?美味いか?」
そう、ヒナタのお礼の言葉を笑顔で返すアラン様は……。それは今まで私が聴いた彼の声の中で1番優しい声で、今まで私が見た彼の中で1番優しい表情だった。
その優しさが伝わったのか、ヒカルも控え気味だけどアラン様に頷いて答える。
何なの?この人……。
この日から、アラン様を纏う雰囲気が変わっていくように感じた。
次に私達の前に現れたアラン様はスーツ姿ではなく、ポロシャツと伸縮性のあるズボン姿で……。汚れてもいい動きやすい服装で、広場で子供達と遊んでくれた。
それから……。
1週間に一度はそうやって私達の前に現れては、子供達と遊んで帰っていく日々。
一体、何故ーー?
気を許してはいけない。
きっと何かシャルマ様絡みの企みがあるのだと、警戒していた。
これ以上、この人の近くに居たくないーー。
けれど、そんな私の気持ちとは裏腹にアラン様に懐いていく子供達。
「ねぇ、アランさんもママのおべんとーいっしょにたべよ~?」
「ママのごはん、おいしいの~」
「えっ?……あ、いや。……」
子供達の誘いに、アラン様は戸惑っていた。
少し困ったようにチラッと私を見て様子を伺う姿と表情。
子供達の前で怒鳴りたくない。それに、そんな彼を見るといつの間にか彼に対する嫌な気持ちが、薄れていっている自分がいる事に気付く。
「……どうぞ。お口に合わないでしょうけど」
でも、認めなくなかった。
子供達は特に敏感だから、アラン様が根っからの悪い人ならば懐いたりする筈ない。そう、分かりながらも……アラン様を認めなくなかった。
認めたく、ないのに……。
「ーー美味いな。
今まで食べた玉子焼きの中で、1番美味い」
そう言って、笑うから……。
「でしょでしょ?」
「アランしゃん、こっちもたべて~」
「……うん。
我が家のシェフより見事な腕前だな」
子供達と和気藹々として、和やかな空気の中で、時折私を優しい瞳で見つめてくるから……苦しくなった。
認めちゃいけない。
そして、気付いちゃいけない。
私を見つめるアラン様の優しい瞳の意味に……。
自分にそう言い聞かせて、過ごす日々。
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