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第15章(1)マオside
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しおりを挟む家族みんなで仲良く過ごせる毎日が、幸せだと……思ってた。
ーーけど、急に怖くなった。
子供が出来て、産まれたら、どうなるんだろう?
子供が居たら、ミネアさんも僕の事なんか……。
「ーーッ、違う。
ミネアさんは……そんな人じゃ、ない」
どんな時も傍に居てくれた。
入院時の卑屈な僕を見ても、情けない姿を見せても、優しくしてくれた。
でも、そう知りながらも……怖い。
また必要とされなくなるのが……怖い。
だからあの屋敷には居たくなかったけど、ミネアさんを頼る事は出来なかった。
今は、彼女に会うのが怖い。
自分の事を、誰も知らない場所に行きたかった。
そして僕は、違う自分にもなりたかった。
『醜い』『隠せ』と祖父に塗り替えられた自分を……変える。
船に付いている客が共同に使える小さなシャワー室で、僕は自宅から持ってきた染料を落とせるシャンプーで髪を洗った。
瞳に着けていたアイレンズも外して……。
「……久し振り、だね?」
白金色の髪と瞳。
鏡に映る自分に苦笑いしながら挨拶をした。
一族とも、両親とも違う、異国の人間のような容姿の僕。
何故自分だけ、みんなと違うのーー?
祖父に指摘された時は一時期にそう思って、この容姿のせいで嫌われているんだって……思ってた。
けど、違う。
僕が祖父に嫌われているのも、自分で自分を好きになる事が出来ないのも……。何も出来ないのは、容姿のせいじゃない。
僕自身が、心が……ダメで、弱いからなんだ。
「……ごめんね?」
自分の髪に触れて、謝った。
鏡に映る自分の瞳を見て、謝った。
もしも……。もしも、僕が僕を好きになれたら何かが変わるのだろうか?
……分からない。
けど、久し振りに見た鏡に映る白金色の髪と瞳の自分を、そんなに嫌だと思わなかった。
むしろほんの少しだけど気持ちがスッキリとして、不思議と伊達メガネを外している事も出来た。
まるで心が、"これが本当の自分だ"と言っているかのように……。
……
…………。
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