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第15章(1)マオside
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翌日ーー。
船が目的地付近の港に着いたのは、もう夜に近い夕方だった。
「後1時間もすれば辺りが暗くなってしまって危ないから、港で一泊した方がいい」って船長さんに言われたけど、お金もそんなに残っていないし、少しでも早く目的の砂浜に行きたかった僕は船を降りるとすぐに歩き出した。
幸い、今夜は天気の良い満月。夜道でも普段よりは明るく照らしてもらえる。
それに、暗い夜道も、先の見えない夜道も……。記憶を失ってからの日々に比べたら、怖くなんてない。
「もうすぐ、会いに行くよ……」
ーーなんてね。
満月を見上げて、そう呟いて僕は微笑った。
月姫の祈り。
初めてこの絵本を読み終わった時。胸が締め付けられて、自然と涙が溢れてた。
満月の夜に願いを叶える事の出来るー月姫ーと呼ばれる少女と、同じ村に住む幼馴染みの少年の物語。
無理矢理な婚姻で、月姫とその能力を手にしようと企む大国の王様の手から逃れようとする、いわゆる駆け落ちの恋物語だ。
少年は囚われていた少女を助けて、二人で新たな地で暮らそうと誓い合って、逃げて……。一度は幸せを掴みかける。
……でも。
滞在していた港町の宿屋の主人と王様が密かに繋がっており、2人は見つかってしまって、その結果……少年は殺されてしまう。
目の前で愛おしい人を失った少女は、深い哀しみから増幅した怒りと憎しみを抑えきれなくて、月姫で王様とその部下達と、町の人……。つまり、町ごと滅ぼしてしまうんだ。
その後、人間界と死後に旅立つ天界の狭間で少女はある選択を迫られる。
『彼を生き返らせる事は出来ません。でも、来世へその魂を導く事は出来ます。
けれど、今の彼とは全く別の人間です。今世の記憶や想い出は全て消えてしまいます』
謎の光は告げた。
『そして、残念ながら貴女は彼と一緒に生まれ変わる事は出来ません。
不運な事故、とはいえ、たくさんの命を奪った貴女に……。今、来世へと開く扉は、ありません』
『罪を償う方法はありますが、容易いものではありません。何百年、何千年かかる事も……。
仮に生まれ変わる事が出来ても、彼ともう一度出逢える可能性はとても低い。運命の神によって遮られ、かなり困難な道になるでしょう』
悲劇が生んだ、哀しい恋の結末。
翌日ーー。
船が目的地付近の港に着いたのは、もう夜に近い夕方だった。
「後1時間もすれば辺りが暗くなってしまって危ないから、港で一泊した方がいい」って船長さんに言われたけど、お金もそんなに残っていないし、少しでも早く目的の砂浜に行きたかった僕は船を降りるとすぐに歩き出した。
幸い、今夜は天気の良い満月。夜道でも普段よりは明るく照らしてもらえる。
それに、暗い夜道も、先の見えない夜道も……。記憶を失ってからの日々に比べたら、怖くなんてない。
「もうすぐ、会いに行くよ……」
ーーなんてね。
満月を見上げて、そう呟いて僕は微笑った。
月姫の祈り。
初めてこの絵本を読み終わった時。胸が締め付けられて、自然と涙が溢れてた。
満月の夜に願いを叶える事の出来るー月姫ーと呼ばれる少女と、同じ村に住む幼馴染みの少年の物語。
無理矢理な婚姻で、月姫とその能力を手にしようと企む大国の王様の手から逃れようとする、いわゆる駆け落ちの恋物語だ。
少年は囚われていた少女を助けて、二人で新たな地で暮らそうと誓い合って、逃げて……。一度は幸せを掴みかける。
……でも。
滞在していた港町の宿屋の主人と王様が密かに繋がっており、2人は見つかってしまって、その結果……少年は殺されてしまう。
目の前で愛おしい人を失った少女は、深い哀しみから増幅した怒りと憎しみを抑えきれなくて、月姫で王様とその部下達と、町の人……。つまり、町ごと滅ぼしてしまうんだ。
その後、人間界と死後に旅立つ天界の狭間で少女はある選択を迫られる。
『彼を生き返らせる事は出来ません。でも、来世へその魂を導く事は出来ます。
けれど、今の彼とは全く別の人間です。今世の記憶や想い出は全て消えてしまいます』
謎の光は告げた。
『そして、残念ながら貴女は彼と一緒に生まれ変わる事は出来ません。
不運な事故、とはいえ、たくさんの命を奪った貴女に……。今、来世へと開く扉は、ありません』
『罪を償う方法はありますが、容易いものではありません。何百年、何千年かかる事も……。
仮に生まれ変わる事が出来ても、彼ともう一度出逢える可能性はとても低い。運命の神によって遮られ、かなり困難な道になるでしょう』
悲劇が生んだ、哀しい恋の結末。
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