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第18章(3)アカリside
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しおりを挟むこの想いを伝えるのに、飾りのようなたくさんの言葉は必要なかった。
好き、と言って、私はマオさんを真っ直ぐ見つめたまま返事を待つ。
まるで此処が私達二人だけの空間のような感覚。
波の音も、風の音も、鳥の鳴き声も聞こえなくて……。ただ、彼だけを見つめていた。
すると……。
「っ……。
アカリさん、っ……僕はッ……!ッ……」
驚いた表情から、真剣な表情に変わった彼は、何かを言い掛けて言葉を詰まらせる。
苦しそうな表情を浮かべながら、必死に私の告白に返事をしようと自分の心と闘っていた。
大丈夫、大丈夫だよ?
彼の気持ちが痛い程分かっていた私がそっと手を握ると、マオさんは辛そうに顔を歪めて言った。
「っ……すみません。
僕にはッ……このままミネアさんを裏切る事は、っ……出来ませんッ」
「……」
「ずっと、っ……ずっと、支えてくれたんです!こんな、僕をッ……だから、っ……」
不思議と、彼のその言葉にホッとした。
ーーうん。
大丈夫、貴方の気持ちは充分分かってる。
ミネアさん。
その名前を聞いたら、きっと以前の私ならばモヤモヤして、嫉妬していた。
でも、今は違う。
マオさんとして生きてきたこの時間で、ミネアさんと過ごした時間はきっと彼にとって大切な掛け替えのない時間。
彼女に助けられて、支えられて、生きてきた。
マオさんにとってミネアさんは、大切な存在。
そんな大切な人を簡単に捨てられて、傷付ける事が出来る人ならば……私は貴方を好きにはならなかったわ。
……だから。
「返事は……。答えは、すぐじゃなくていいんです」
再び言葉を詰まらせた彼に、私は微笑みながら言った。
「私は待ちますから……。
今度会う時。次会った時に、返事を下さい!」
次に会う時は、貴方が答えをくれる時。
それまでは会わない。
そう決意して、私は告げた。
貴方が考えて、出した答えを聞かせてほしい。
そして再び、私の元へ来てくれると信じている。
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