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第19章(1)マオside
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しおりを挟むアカリさんと砂浜で約束を交わしてから一週間後ーー。
「これはマオ様。よく来て下さいました」
「あ、いえ。こちらこそ、お招き頂きありがとうございます。
それと、この度は奥方様のご懐妊おめでとうございます」
僕は御社の取り引き先であるジェイク様の邸のパーティーに招かれ、出席していた。
と、言っても別件で来られなかったアランの代理として……だけど。
自宅に戻ってからは、また以前のように髪を染めてアイレンズを着けて、灰色の髪と瞳。
一つ変われたのは、伊達眼鏡を外せるようになった事。
無断で家を出て、何の連絡もせず自宅に戻った僕に祖父は何も言わなかった。
僕が家出した事に自体に気付いていなかったのか、それともそんな事は祖父にとってはなんの支障もない些細な事だったからかも、知れない。
アランは、とても心配してくれていたんだって分かるくらいの表情で迎えてくれて、「兄上、すみませんでした」って僕に謝った。
アランが謝る事なんて何一つないのに……。
けどそんなアランを見て、僕は少しでも社長である彼の力になりたい。役に立ちたいと、思ったんだ。
ディアスは……。
相変わらず、僕の側に付いて色々サポートしてくれている。
今日もここまで送ってくれて、きっと今もこの邸の外で僕が役目を終えるまで待ってくれているに違いない。
でも、僕が家出した事で何かあったんだと思う。何だか以前よりもよそよそしい、というか距離を感じる。
「あ、そうそう!
マオ様、よろしければ妻の話し相手をお願い出来ませんか?」
「!……え?」
うっかり考え事をしていた所に不意を突かれた。
こういう場は苦手で失礼のない程度に挨拶をすませたら帰ろうと思っていた僕に、ジェイク様からまさかのお願い事。
「以前より妻はマオ様とお話をしたがっていたのです。
私は挨拶回りで暫く動きますので、よろしくお願いします」
「えっ?あ、っ……あの!」
「モニカ。ほら、マオ様だよ。
僕が挨拶回りをしてくる間、話し相手をして下さるそうだから……」
「っ……~~」
ーー参ったなぁ。
ジェイク様は話など聞いてくれる様子もなく僕の手を引いて行くと、部屋の隅の椅子に座っている奥方様の元へ連れて行き、そう紹介してしまった。
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