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第19章(3)マオside
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しおりを挟むーーえっ?
この瞬間。
暖かい"何か"が僕の中に流れ込んでくる気がした。
何故だか分からない。上手く言えないけれど、触れているディアスの腕を通じて伝わってきたのだ。
自分の事を、主従関係以上に大切に想ってくれているディアスの感情が……。
でも、まさか、って思って。自分の感情が昂って感じた錯覚だと思って、気のせいだと流そうとした。
自分の一族が持つ不思議な能力の事なんて知らなかった僕は、己を受け入れたと同時に芽生え始めた自分の能力に気付いていなかった。
「……行って下さい」
「!……え?」
「全ては貴方様の御心のままに……。
この場の事は、私にお任せ下さい」
そう言われてハッと我に返ると、ディアスが僕に頭を下げていた。
……そうだ。
僕は、行かなきゃ!
不思議な感覚が気にならないか?と問われたら嘘になるが、今はただようやく気付けた自分の気持ちを大切にしたくて、他の事は考えないようにしようと思った。
「ディアス。ごめんね、っ……ありがとう!」
言葉では言い表せないけど、精一杯の感謝の言葉を残して僕はその場を駆け出した。
ジェイク様の邸の敷地内から出て営業用自動車を拾おうと大通りに向かって進む。僕は気持ちを切り替ながら、ミネアさんの元へ行こうとポケ電を手に彼女が居そうな場所を考えた。
会社?自宅?
それとも、彼女のお気に入りのホテル?
出張という可能性も十分にあったが、もうただ待ってるだけではいけない。居場所を何とか突き止めて、自ら行かなくては……!
アカリさん。
本当は今すぐにアカリさんの元へ行って、自分の気持ちを伝えたい。
でもその前に、今までの不甲斐ない自分を変える為にけじめをつける。
ミネアさんと話して、ちゃんとお別れをして、全てはそこから。例え彼女に引っ叩かれようとも、恨まれようとも……。
ピリリリリーーッ……!!
「!……っ」
それはまさに、ミネアさんに電話を掛けようとしたタイミングだった。僕のポケ電の着信音が鳴る。
画面に表示されている発信元は、ハンク様。ミネアさんのお父様だった。
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