夢の言葉と約束の翼(上)【続編⑤】

☆リサーナ☆

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第4章(3)アカリside

3-4

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ヒナタとヒカル、私とヴァロンの可愛い子供。
もし私が約束を破れば、あの子達の未来もどうなるか分からない。

引き離されて、取り上げられて……。
シャルマ様に都合の良い道具のように扱われる可能性もある。
いや最悪。邪魔な存在だと判断されたら、きっと簡単に命を奪われてしまう。


この三年間、私を支えてくれた子供達。
ヴァロンと同じくらい大切な私の宝物。

ヴァロンも子供達も、どちらも天秤になんて掛けられないくらい私には大切な存在だ。


……でも。
どちらかを選ぶ道しかないのなら、今の私には選択肢は一つしかない。

そう思いながらも、心揺れていると……。


「まま~!
あい、これあげゆ~」

「も~ヒカル!おくちのまわり、ふいて!」

私の好きなウサギの形をしたリンゴを持ったヒカルが駆けてきて、その後から追って来たヒナタが世話を焼く。

その可愛い微笑ましい姿を目の前にして、私は思わずベンチから降りて子供達を抱き締めた。


自分は酷い母親だと思った。

選択肢は一つしかない。
この子達を守る事が当たり前の筈なのに……。
ヴァロンにもう会えないのだと思ったら、一瞬心が揺れた。

子供達を手放せる筈なんてないと思いながらも、私の中の”女”の部分が愛しい人を求めて揺れる。

そんな自分を恥じて、腕の中で「ママ?」と私を呼ぶヒナタとヒカルの顔が見れない。
暫く抱き締めたままでいると、背後のベンチからミネアさんも立ち上がる気配を感じた。


「可愛いお子さんね。わたくしも早く欲しいわ、マオ様との子供。
……では、ご機嫌よう」

弾んだ綺麗な声と、軽やかに歩き去って行くヒールの音が私の胸にズキズキと刻むように突き刺さる。

……。

やっと再び巡り逢えた、愛おしい人。

けれど。
その人はもう、私の”夫”ではなかった。

待ちに待った再会は、残酷な現実と一緒に私達に訪れたのでした。

……
…………。
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