夢の言葉と約束の翼(上)【続編⑤】

☆リサーナ☆

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第6章(2)アカリside

2-1

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案外、したたかな女なのかも知れない。

扉の閉まった脱衣所の向こうから響くシャワーの音を聞きながら、私は先程の自分の行動を振り返ってそう思った。


帰ろうとした彼を引き止めて、半端強引にお風呂をすすめてしまった私。
自分にあんな一面がある事に驚いた。

ずっと自分はリードされる側だと思っていたが、実は相手が同じ歳だったり大人しい人ならばグイグイと引っ張っていくタイプなのかも知れない。

キッチンで昼食の準備をしながらそんな事を思って、私はクスッと微笑ってしまった。


でも。
すぐに現実を思い出して、気を引き締める。

着替えを用意する際に、彼にこの後の予定を聞いたら後は帰るだけだと言っていた。

時刻は間も無く13時。
15時の子供達のお迎えまでのあと二時間。
それが、私と彼がゆったりと二人で居られる……。きっと、最後の時間なのだと。

……
…………。
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