夢の言葉と約束の翼(上)【続編⑤】

☆リサーナ☆

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第7章(3)ユイside

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私は知ってる。
護れなかった時の辛さや苦しさを……。

もしもまた護れなかったら、今度はヒナタちゃんやヒカル君まで危険に晒す事になる。

諦めないという気持ちが、正義感が、時に大切なものを失うという現実を誰よりも知っていた。

それに……。


「私はっ、そんなに強くないの……ッ。
弱くて、汚くてっ……醜い!
こんな心で、誰も護れる訳ないじゃない!!」

涙が地面に落ちると同時に力が抜けて、私はその場にペタンッと座り込んでいた。


”ユイ、強く生きてね。
寂しい時は、俯かないで空を見上げて?
例え孤独を感じても、独りだと思わないで?”


ーーもう、無理。
今まで何度も支えてくれたリディア母さんの言葉を思い出しても、俯いた顔を上げる事が出来ない。


”世界は広い。
この大空の下に、いつか貴女が出逢える大切な人がきっといるから……。”


ーーいない。
そんな人、私なんかにいる訳がない。

全て崩れ落ちて、迷路のように先の見えない道の中で、卑屈になっていた私。

いつまでも出ない答えに、何もなかった事にして、居心地の良い元居た場所へ戻ろうとした。


けどーー。


「……誰だって最初から強い訳でも、綺麗な訳じゃないんですよ?」

引き返しても出ない答え。
楽にならない心。

それをハッキリさせるには”自分を受け入れて”進むしかないのだと、私に教えてくれる人がここに居た。


少し顔を上げた涙でボヤける視野の中で、直接私の心に映し出されたように鮮やかに映るのはーーレイさん。
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