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第2章(3)ギャランside
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しおりを挟む……だが、ヴァロンは違う。
皮肉にも、両親に棄てられた過去こそがその力を引き出す最大の鍵になったのかも知れん。
親の顔色を伺い、自我を封じた子供。
自分の望むものは手に入らない、と……。
今もあやつは心の何処かできっと思っておる。
リディアがこの隠れ家にヴァロンを連れて来た当初の事を、思い出す。
子供のクセに、口が悪い生意気なフリをして、いつも強がっていた。
嫌われるのが怖いから、人に嫌われる前にワザと自分から嫌われようとする。
”特別”な存在も作らなければ、誰かの”特別”になる事も避けて……。
そんなヴァロンが、リディアに抱いた特別な感情。
初めて特別に想い、想われたいと望んだ。
それが叶わなかった時……。
あやつはまるで、機械のようだった。
完璧に、ただひたすら任務を熟して熟して……。
昇りつめても、どれだけ報酬を受け取っても、少しも嬉しそうではなかった。
ただ、がむしゃらに人の夢だけを叶え続けた。
「……貧乏クジを、自ら引きに行く。
そんなにお利口な子供でいる必要はもうないのだと、気付いてほしいものじゃな」
少しずつ変わってきたヴァロン。
だが、まだ根本的な部分は変わっていない。
人の顔色を伺い、自分がどうしたら相手にとっての最善かを考える。
例えその結果、自分が損をする事になっても……。
「シュウ。
アラン様が言った、ヴァロンが人を殺めた可能性は……。あると思うか?」
「!……っ。それは……」
ワシの問い掛けに、シュウはYESともNOとも言えない複雑な表情を浮かべた。
告げられた時の状況から、アラン様が嘘を付いている様には思えなかったが……。かと言って、それが事実だと確証する証拠らしい証拠もまだ掴めていない。と、言った感じか。
「……一層の事。
ヴァロンに、今の状況を話すのもアリかも知れんぞ?」
最悪の事態を避ける為の一つの案を、ワシは口にした。
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