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第7章(2)レイside
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【港街】
事件が起きたという場所。
ボクと姉さんは、ヴァロン様の自宅がある建物の一階フロアに駆け込んだ。
この建物は防音設備もしっかりしているから、基本的に毎日静かなのだが……。それにしてもおかしい位に人気がない。
管理人も警備員も見当たらないその空間は、明らかに何かが起きている事を物語っているようだった。
ボクと姉さんが管理人室に入り内部を確認すると、いつもはロックされている上の階に繋がる自動扉が解除されており、防犯カメラの電源も全て落とされている。
一体誰が?
何の為に……?
……。
”誰が”という事に、確信は持てなかったが……。
”何の為に”という事には、ある程度の確信が持てた。
「っ……これは!
一体どういう事だッ?!」
ボク等の後から到着した調査員達も、初めての事態に困惑気味。
夢の配達人の為の建物。とは言っても、せいぜい新聞や雑誌の記者達がしつこく嗅ぎ回ってきたり、万が一ファンや嫌がらせ目的で来た人達を防ぐ為のもので……。
大きな事件が起きた事なんて、これまで一度もないと聞いていた。
セキュリティーを解除し、防犯カメラまで落とす、計画的な犯行。
そうまでして狙われる人物なんて、この建物に住む人はたった一人しかいない。
「っ……!!」
「!……姉さんッ!」
ボクがハッとした時。すでに姉さんはその場を駆け出して、上の階に行く為の自動扉を抜けて行った。
「すみません!ここはお任せしますッ!!」
他の調査員達にその場を任せると、ボクも慌てて駆け出して姉さんを追いかける。
ボクと姉さんが目指す目的場所はたった一つ。
最上階の角部屋、ヴァロン様の自宅。
……
…………。
事件が起きたという場所。
ボクと姉さんは、ヴァロン様の自宅がある建物の一階フロアに駆け込んだ。
この建物は防音設備もしっかりしているから、基本的に毎日静かなのだが……。それにしてもおかしい位に人気がない。
管理人も警備員も見当たらないその空間は、明らかに何かが起きている事を物語っているようだった。
ボクと姉さんが管理人室に入り内部を確認すると、いつもはロックされている上の階に繋がる自動扉が解除されており、防犯カメラの電源も全て落とされている。
一体誰が?
何の為に……?
……。
”誰が”という事に、確信は持てなかったが……。
”何の為に”という事には、ある程度の確信が持てた。
「っ……これは!
一体どういう事だッ?!」
ボク等の後から到着した調査員達も、初めての事態に困惑気味。
夢の配達人の為の建物。とは言っても、せいぜい新聞や雑誌の記者達がしつこく嗅ぎ回ってきたり、万が一ファンや嫌がらせ目的で来た人達を防ぐ為のもので……。
大きな事件が起きた事なんて、これまで一度もないと聞いていた。
セキュリティーを解除し、防犯カメラまで落とす、計画的な犯行。
そうまでして狙われる人物なんて、この建物に住む人はたった一人しかいない。
「っ……!!」
「!……姉さんッ!」
ボクがハッとした時。すでに姉さんはその場を駆け出して、上の階に行く為の自動扉を抜けて行った。
「すみません!ここはお任せしますッ!!」
他の調査員達にその場を任せると、ボクも慌てて駆け出して姉さんを追いかける。
ボクと姉さんが目指す目的場所はたった一つ。
最上階の角部屋、ヴァロン様の自宅。
……
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