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第8章(1)ヴァロンside
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【2月14日/港街の花屋】
「ん~……。やっぱ、赤かな」
予定より早く任務を終え、お昼過ぎに港街へ戻ってきた俺は花屋に寄っていた。
今日は男性が好きな女性に花を贈る日。
そして、娘のユイの誕生日だ。
「お疲れ様です。
久し振りですね、ヴァロンさん」
真剣に花を選ぶ俺に、ニヤニヤしながら話し掛けてくる男性。
こいつは元夢の配達人で、現在花屋の店長をやっている顔見知りだ。
「聞いてますよ~奥様とラブラブだそうですね!今日は愛しの奥様にプレゼントですか?」
「っ……うっせぇなぁ、黙れよ」
俺は被っていた帽子を深く被って顔を逸らすと、花選びに集中した。
全く……。
俺が結婚したり、愛妻家だという事が余程意外だったらしく。こうして今では夢の配達人を辞めて転職をしている奴の店に行くと、何処で噂されてんのか分からないが、こうやってからかわれる。
「……うん。
やっぱり、これがいいよな。アカリには……」
花束にしようかとも悩んだが、俺はたくさん並ぶ赤いバラの中から一輪だけ選んで手に取った。
”たくさんの花束より……。
一輪の方が、なんか特別な感じがする。
バロンが選んでくれた、たった一つだもん。”
昔、そう言って微笑んでくれたアカリの笑顔をもう一度見たい。
俺は明日。
いや、きっとこれから彼女をたくさん悲しませてしまうから……。
病気の事を話したら、アカリは傷付いて、いっぱい涙を流すと思う。
……でも。
離れたく、ないんだ。
勝手かも知れないけど、彼女が許してくれるなら…。俺は、最期までアカリと居たい。
アカリの笑顔を、ずっと見てたいんだ。
一生一緒に生きてほしい。
そう、彼女にもう一度告白しよう。
逃げたり、怯えたりしないで、今在る幸せを手放したりしないと決めた。
「ん~……。やっぱ、赤かな」
予定より早く任務を終え、お昼過ぎに港街へ戻ってきた俺は花屋に寄っていた。
今日は男性が好きな女性に花を贈る日。
そして、娘のユイの誕生日だ。
「お疲れ様です。
久し振りですね、ヴァロンさん」
真剣に花を選ぶ俺に、ニヤニヤしながら話し掛けてくる男性。
こいつは元夢の配達人で、現在花屋の店長をやっている顔見知りだ。
「聞いてますよ~奥様とラブラブだそうですね!今日は愛しの奥様にプレゼントですか?」
「っ……うっせぇなぁ、黙れよ」
俺は被っていた帽子を深く被って顔を逸らすと、花選びに集中した。
全く……。
俺が結婚したり、愛妻家だという事が余程意外だったらしく。こうして今では夢の配達人を辞めて転職をしている奴の店に行くと、何処で噂されてんのか分からないが、こうやってからかわれる。
「……うん。
やっぱり、これがいいよな。アカリには……」
花束にしようかとも悩んだが、俺はたくさん並ぶ赤いバラの中から一輪だけ選んで手に取った。
”たくさんの花束より……。
一輪の方が、なんか特別な感じがする。
バロンが選んでくれた、たった一つだもん。”
昔、そう言って微笑んでくれたアカリの笑顔をもう一度見たい。
俺は明日。
いや、きっとこれから彼女をたくさん悲しませてしまうから……。
病気の事を話したら、アカリは傷付いて、いっぱい涙を流すと思う。
……でも。
離れたく、ないんだ。
勝手かも知れないけど、彼女が許してくれるなら…。俺は、最期までアカリと居たい。
アカリの笑顔を、ずっと見てたいんだ。
一生一緒に生きてほしい。
そう、彼女にもう一度告白しよう。
逃げたり、怯えたりしないで、今在る幸せを手放したりしないと決めた。
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