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最終章(2)ヴァロン&アカリside
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【ヴァロンside】
「……今日は、よろしく頼むな?」
アカリの祖父、アルバート様の別荘の中庭。婚礼用の袴に着替えた俺は、そこに植えられた何本かの"ある木"に話し掛けながらそっと幹に手を触れた。
今日はアカリの25歳の誕生日であり、俺達の結婚式。
一年前の今日。俺達は色んな出来事を乗り越えてもう一度一緒に居られるようになった。が、俺の祖父シャルマが亡くなった事ですぐに結婚式を……と言う訳にはいかなかった。
もうアカリを不安にさせないように、これまで"父親"という存在がいなくて寂しい思いをさせたヒナタとヒカルの為にすぐに籍は入れたが、これと言ったお祝いはずっとなくて……。アカリは「ヴァロンと居られたらいいの!」って言ってくれたけど、これまでのお詫びやお礼も兼ねて、俺はどうしても結婚式をやりたかったんだ。
それに感謝をしているのは、アカリにだけじゃない。今日招いた、全ての人に感謝している。
アルバート様。
アカリの事、会社の事で大変だったのに……。俺が必ず戻ってくると信じて、アカリを励まし支え続けてくれた。
ヒナタとヒカル。
会いたくて会いたくて仕方なかったクセに、愛おしくて愛おしいくて仕方ないクセにどう接して良いのか分からなかった俺を、すぐに「パパ」って呼んでくれて、抱き着いてきてくれた。
俺が父親だと子供達に隠さずに話してくれていたアカリに感謝したのは勿論だが、本当に真っ直ぐで優しい子達に育ってくれた。
アラン。
記憶を失くして不甲斐ない兄である俺を支えてくれて、その間アカリ達の事もたくさん助けてくれた。おまけに、俺の記憶が戻った事も喜んでくれて、俺とアカリが一緒になる事も……自らすすめてくれた。
シャルマ様が亡くなった際。火災に巻き込まれて病院に運ばれた、と連絡を受けた時はアランを失ってしまうんじゃないか?ってめちゃくちゃ怖かった……。
本当に、無事で良かった。俺の大切な弟。
……それから、…………。
「ーー今日は、とてもいい天気ですね」
「!っ……」
すっかり自分の世界に入り込んでいた俺は、その声にハッとする。
目を開けて視線を向けると、そこに居たのは俺の唯一無二の親友だった。
「……今日は、よろしく頼むな?」
アカリの祖父、アルバート様の別荘の中庭。婚礼用の袴に着替えた俺は、そこに植えられた何本かの"ある木"に話し掛けながらそっと幹に手を触れた。
今日はアカリの25歳の誕生日であり、俺達の結婚式。
一年前の今日。俺達は色んな出来事を乗り越えてもう一度一緒に居られるようになった。が、俺の祖父シャルマが亡くなった事ですぐに結婚式を……と言う訳にはいかなかった。
もうアカリを不安にさせないように、これまで"父親"という存在がいなくて寂しい思いをさせたヒナタとヒカルの為にすぐに籍は入れたが、これと言ったお祝いはずっとなくて……。アカリは「ヴァロンと居られたらいいの!」って言ってくれたけど、これまでのお詫びやお礼も兼ねて、俺はどうしても結婚式をやりたかったんだ。
それに感謝をしているのは、アカリにだけじゃない。今日招いた、全ての人に感謝している。
アルバート様。
アカリの事、会社の事で大変だったのに……。俺が必ず戻ってくると信じて、アカリを励まし支え続けてくれた。
ヒナタとヒカル。
会いたくて会いたくて仕方なかったクセに、愛おしくて愛おしいくて仕方ないクセにどう接して良いのか分からなかった俺を、すぐに「パパ」って呼んでくれて、抱き着いてきてくれた。
俺が父親だと子供達に隠さずに話してくれていたアカリに感謝したのは勿論だが、本当に真っ直ぐで優しい子達に育ってくれた。
アラン。
記憶を失くして不甲斐ない兄である俺を支えてくれて、その間アカリ達の事もたくさん助けてくれた。おまけに、俺の記憶が戻った事も喜んでくれて、俺とアカリが一緒になる事も……自らすすめてくれた。
シャルマ様が亡くなった際。火災に巻き込まれて病院に運ばれた、と連絡を受けた時はアランを失ってしまうんじゃないか?ってめちゃくちゃ怖かった……。
本当に、無事で良かった。俺の大切な弟。
……それから、…………。
「ーー今日は、とてもいい天気ですね」
「!っ……」
すっかり自分の世界に入り込んでいた俺は、その声にハッとする。
目を開けて視線を向けると、そこに居たのは俺の唯一無二の親友だった。
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