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第2章 里奈side
(3)里奈side
しおりを挟むそういう、恋愛の意味の”好き”じゃない事は分かってる。
でも、堪らない感情が溢れてしまいそうで私はドリンクバーのグラスを持って席を立った。
「わ、私ジュースのお代わり注いでくるっ」
なんとか平然を装いながら部屋を出たけど、扉を閉めて少し歩くと……。
もうダメ、顔がニヤニヤしてしまう。
「俺は、お前の歌詞のセンスも歌声も好きだったけどな~」
すっかり心の中に録音した彼の言葉を、思い出すだけで胸がキュンキュンする。
「いつか、歌えたら……いいなぁ」
実はこっそりと、私は最近作詞と作曲を始めていた。
軽音楽部の先輩達が自分達の作った曲を歌ったり弾いている姿を見て、すごく素敵で羨ましかったから……。
そんな時も、やっぱり浮かぶのは将ちゃんの事で……。彼の事を想いながら作業している。
まだまだ下手くそでとても披露出来ないけど、曲や詞を作っている時は素直になれた。
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