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第4章 将馬side
(2)将馬side
しおりを挟む智樹の機転のお陰で、見ていた他のメンバーは笑って……。涼の案内で民宿の中に続々と入って行く。
「は~い、将馬君!里奈ちゃんは私達女性陣と同じ部屋だから返してくれる?他の男の人なんて絶対に部屋に入れないから、大丈夫よ」
智樹の彼女の未来が俺の腕を払うと、すっかり硬くなってしまっている里奈を守るようにして連れて行った。
……。
俺はさっきまで里奈の肩を抱いていた自分の手を見つめて、握り締める。
あんな顔、させるつもりじゃなかった。
それなのに、つい……。
俺の頭の中に、数々の昔の記憶が蘇ってくる。
俺はこんな性格だから、周りから真面目だと絶対に取られない。むしろ、軽く思われて……。
頭は特別に良くないけど、宿題や提出物は怠った事はない。
そんなある日、俺は小学校の小テストでクラスで1番良い点数を取った。
クラスで1番頭の良かった奴に勝って、嬉しくて嬉しくて……。
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