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第5章 里奈side
(1)里奈side
しおりを挟む「百均の物かそうじゃないかくらい、すぐに分かるよ」
涼さんはそう言って、笑った。
自分の嘘がバレバレだったのだと、少し恥ずかしいと思って俯いていると……。そんな私に涼さんが言う。
「……君は、すごく優しいね」
「!……へ?」
返そうと遮られていた手が……。
押さえ込まれていた私の手が、涼さんの手にギュッと力を込めて握られる。
「?……涼さん?」
顔を上げると、涼さんが私を真っ直ぐ見つめながら言葉を続けた。
「あの時からね、もう一度君に会いたいと思ってたんだ」
「……私、に?」
私に、会いたい?
そんな事を男性に言われた事、初めてだった。
だから、涼さんの言葉の深い意味に私は気付かなくて首を傾げる。
涼さんは暫く私を見つめてて、フッと微笑むと手を放して夜空を見上げた。
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